logo worldcup crazy 2006


■2006年7月19日(水)  【総括・日本代表

●終わってみれば1分2敗とひどい成績で、いろんな人がいろんなことを言っている訳だが、笑ってしまうのは日本のメディアは代表を持ち上げすぎだという意見。もっと実力をきちんと伝える報道をせよと。いやあ、あの翼賛報道を真に受けている人がいるとは思わなかった。マジでグループリーグ突破できると思ってたのかなあ。
●もちろんグループリーグ突破はまったくの夢物語だったという訳でもなかった。少なくともそのチャンスは十分にあった。クロアチア相手にスコアレス・ドローに持ち込めたように、あるいはブラジル相手に得点できたように、日本の実力は箸にも棒にもかからないという訳では決してなかったはずだ。結果だけを見た人たちがボロクソに言っているほど日本の実力は低くない。楽勝でグループリーグを勝ち抜けるほど高くはないが、そのチャンスがまったくないというほど低くもなかったと僕は思う。
●問題は、そういうギリギリのボーダーにいるチームとして、何とかそこで水面の上に顔を出そうという最後の付加価値が何もなかったということなんじゃないだろうか。楽して勝てるほど強くないのなら、それをカバーできるくらい必死で戦うしかないと思うのだが、どの試合を見ていてもそういう「なりふり構わない」様子はうかがえなかった。いつもと同じようにやって、ダメならそれで仕方ないじゃん、みたいな諦めのよさというか、育ちのよさみたいなものが結局勝ち上がることを邪魔したように僕には見えた。
●キーポイントであるオーストラリア戦に逆転負けを喫し、日本代表は自壊した。クロアチアに引き分けたのは立派だったが、それもオーストラリアに勝っていればこその話だ。あの試合に負けた時点で、いくらクロアチアと引き分けても、ブラジル相手に善戦しても、もう何の足しにもならなくなってしまっていた。そして、初戦のオーストラリア戦がそういう意味を持つ重要な試合だということは、初めから分かっていたことだったのだ。
●日本人は内弁慶だ。国内ではいくら盛り上がっていても、それを外部に対して表現することは恐ろしく苦手なのだ。Jリーグでは活躍した選手も、海外に移籍すると満足な成績を残せない。それはJリーグのレベルが低いからというだけの理由ではない。言葉が不自由なく通じ、毎日美味しいメシを食える環境でなら力を出せるが、未知の世界に放り込まれてデカい外人に囲まれるとその半分も自己主張できなくなってしまう。そのメンタルな弱さが代表にも表れていたのではなかったか。
●日本は独特の国だ。他の国とは海で隔てられ、他の国の人には理解できない言葉で話し、他の国に踏み込まれたことのない長い歴史を持つ。そして内部における同質性が高すぎるために、そうした特殊性は認識され難く、海外へ出て人は初めて自分が特殊な世界に生まれ育ったことを知る。自分がこれまで世界のすべてだと思っていたのは、実は極めて狭い世界の隅っこに過ぎなかったということを思い知るのだ。
●そうした世界との邂逅なしに我々は内弁慶を克服できないし、それができなければ世界と「渡り合う」ことなどできるはずもない。中田以降、多くの選手がヨーロッパに移籍したのに、我が国の代表がいまだにそうした内弁慶さを引きずっているのは、彼らがせっかく異国にありながら、何人かを除いて「世界との邂逅」をいまだに果たしていないからではないのか。せっかくヨーロッパに引っ越しながら、そこにある世界をきちんと見ようとせず、コミットしようとしていないからではないのか。
●確かに、体力勝負、フィジカル勝負になりつつある最近のサッカーの世界で、日本人は決定的に不利だ。しかし、今回、日本がグループリーグで惨憺たる成績しか残せなかった原因はそんなところにあるのではない。僕たちは、世界標準の中に自分を位置づける作業をしなければならないのに、そもそもその世界標準がどういうものなのかすら分かっていないというだけの話なのだ。ジーコが悪いのではない。ジーコだって日本人がこんなに内弁慶だとは思わなかっただけだ。
●幸い、我々はオシムというぜいたくな代表監督を得ることができそうだ。オシムが、日本代表の、いや、僕たち自身の中にもある、「まあ、こんなもんかな」という「そこそこの納得感」を一からぶち壊してくれることを期待したいな。

■2006年7月16日(日)  【総括・ドイツ代表

●2004年の欧州選手権はひどかった。チェコに負け、オランダに引き分け、あろうことかラトビアともスコアレスドローで、2000年に続きグループリーグ敗退。2002年のワールドカップで準優勝した監督ルディ・フェラーは辞任を余儀なくされ、後任選びは例によってもめにもめた。火中の栗を拾おうという監督候補はだれも現れなかった。そう、ユルゲン・クリンスマンを除いては。
●クリンスマンが代表監督に就任してもなかなか事態は好転しなかった。西海岸に住み、「通い」で代表の指揮を執る監督には大きな批判が浴びせられた。開催国として予選免除でワールドカップ出場できる特権は、一方で真剣勝負の予選を通じてチームをまとめ上げ、戦術を練る機会がないということでもあった。親善試合で強化を図るしかなかったが、ブラジル、アルゼンチン、オランダ、イタリアといった強豪相手には一度も勝てなかった。
●大会直前には守備の要であったヴェアンスが代表選考に対する不満を表明してチームを外れた。GKはローテーションと称してカーンとレーマンを交互に使い、最後にレーマンを正GKに指名してカーンを控えにまわしたことで大きな議論を呼んだ。代表経験のないオドンコアを召集し、代表入りが確実視されていたオヴォモイェラやクラニーを外した。バラックも万全ではなかった。大会前にドイツが優勝候補だと考える人はドイツ人ですら稀だった。日本のテレビや雑誌ではほとんど話題にも上らなかった。
●だが、ワールドカップが始まってみると、そのドイツが準決勝に進出し、決勝にこそ残れなかったものの3位に入る大健闘を見せた。ポーランドに勝ち、スウェーデンに勝ち、アルゼンチンにはこの大会で初めて先制を許しながら残り10分で追いついてPK戦で勝っての準決勝進出、イタリアにも90分ではスコアレス・ドロー、3位決定戦のポルトガルにも完勝という今回の3位は、決勝でブラジルに負けるまでヨーロッパ、南米の強豪とまったく当たらなかった2002年の準優勝よりも価値は高いと思う。
●だが、ではドイツは強かったのか。そう問われれば僕は首をかしげざるを得ない。メアテスアッカー、メツェルダーのCBはどう見ても線が細い。クローゼは成長したがポドルスキは荒っぽくてチャンスを外し続ける。シュナイダーはいい選手だがキャリア的にはもう最終コーナーをまわっている。シュヴァインシュタイガーもプレーにムラが大きい。終盤に投入されて頼りにできる控えがノイヴィルくらいしかいない。インターナショナル・クラスと呼べる選手はせいぜいバラックとフリングス、この大会で売り出しに成功したラームくらいだ(レーマンもか)。
●そんなドイツ代表がここまでがんばれた理由は何か。もちろんホーム・アドバンテージはあった。戦い慣れた国内のスタジアムで、圧倒的な応援を受けながらプレーすることのメリットは計り知れない。だが、結局のところそこにあったのは勢いとしか呼びようのないマジックだったと思う。短期決戦のワールドカップでは早く調子に乗った方が勝ちという側面は確かにある。ドイツは自国開催の追い風を受け、このビッグ・ウェイブをいち早くつかまえることができたのだ。
●そのキーポイントになったのはグループリーグ第二試合、ポーランドとの一戦だった。開幕戦でコスタリカに2失点を喫しながらもラーム、フリングスのファイン・ゴールなどで4-2と圧勝していたドイツは、この試合では負けないことが最も重要だったはずだ。グループリーグ最終戦はエクアドルとの試合であり、勝ち点4で最終戦を迎えれば勝ち抜けは十分展望できる。
●もちろん、だからといってドイツは初めから引き分けを狙いに行ったのではなかった。初戦に圧勝した勢いを駆って両サイドから果敢に攻め続けた。しかしポーランドの集中力は高かった。彼らは初戦でエクアドルに負けている。この試合に負けることはほとんどグループリーグ敗退と同義だ。ドイツはポーランドを圧倒しながら終盤まで得点を奪えない。両チームともスコアレスのまま試合はロスタイムに入った。だれもがこの試合は引き分けだと思った。そして、それでもいい、と。
●だが、結果は違った。オドンコアのクロスに反応したノイヴィルの劇的な勝ち越しゴール。この瞬間、ドイツ人の中に、オレたちは勝つんだ、という強い確信が生まれた。心配することはない、ちゃんとそうなっているのだ、と。別にグラードバッハのファンだから言う訳でも、ノイヴィルのファンだから言う訳でもないが、ノイヴィルのこのゴールが、若いドイツ代表に、迷わずに行けばよいという自信をもたらしたのだと思う。
●僕は「ゲルマン魂」という言葉が嫌いだ。そんな日本語に当たるドイツ語の言葉はない。ドイツの強さをいつまでもゲルマン魂なんていうよく分からない空疎な言葉のせいにしていては僕たちがそこから学ぶべきことは何もなくなってしまう。ドイツが今回予想外の活躍をしたのは、高さや強さといった基本的なフィジカルのアドバンテージがあり、それを十分に出し切るためのメンタルな環境に恵まれたからだ。そしてサッカーというスポーツに対するイメージが、歴史の裏づけをもってドイツ人の間にきちんと共有されていたからだ。
●ブンデスリーガの1試合あたりの平均観客動員は4万人である。この国ではサッカーは流行でもファッションでもなく生活の一部である。そういう国が調子に乗ったときに何が起こるかを今回僕たちは目の当たりにした。そしてそれはこの日本ではまだまだ起こりそうにもないことなのだ。
●さて、ここからは余談だが、クリンスマンはこのワールドカップを花道に代表監督を辞任してしまった。実に明快でうまい引き際だ。このまま指揮を執っても2008年の欧州選手権で今回以上の成績を残せる保証は何もない。いや、むしろアジアやらアフリカやら北中米やらの国が入り混じるワールドカップより、ヨーロッパの精鋭16カ国で争う欧州選手権の方がグループリーグ勝ち抜けは困難かもしれない。惜しまれて辞めるには今以上のタイミングはない訳で、クレバーな決断だ。
●貧乏クジを引かされたのはレヴだろう。レヴもクリンスマンと一緒に辞めるべきだったと思う。でもまあ、救いはチームが若いことだ。伸びしろのある選手は多い。メアテスアッカー、ラーム、ポドルスキ、シュヴァインシュタイガー、ハンケ、フート、そして我らのヤンセンらは確実にこれからの代表の核になる選手だ。予選を勝ち抜く中でこのチームを熟成させ、若さゆえのムラをなくすこと、そしてバラックの次の「大黒柱」を見出すこと、それができれば予選突破とグループリーグの勝ち抜けくらいは見込めるかもしれない。
●今回もほとんど気にもされてなかったドイツ代表が勝ち進んで随分痛快な思いをさせてもらった。これでまたドイツのサッカーやブンデスリーガ、あるいはドイツという国に興味を持ってくれる人が増えれば嬉しいことだ。

■2006年7月10日(月)  【答え合わせ

●3位決定戦の答え合わせを。カッコ内の「/」の前の数字が僕の採点、後ろの数字が「kicker」紙の採点だ。

カーン(2/1)、ラーム(3/3)、ノヴォトニー(4/3)、メツェルダー(3.5/2)、ヤンセン(4.5/3.5)、シュナイダー(3/3.5)、フリングス(3.5/3)、ケール(3.5/2)、シュヴァインシュタイガー(2.5/1)、ポドルスキ(4/4)、クローゼ(4/3)

どうも僕にはメツェルダーとケールを見る目がないようだ。BVBに厳しすぎるということ?
●今朝は5時に起きて、追っかけ再生で決勝を見たけど、ちょうど延長の前半が終わった辺りで出勤の時刻になってしまい、ニュースに切り替えたらイタリアが勝ったそうで。まあ、フランス×イタリアなので適当にやってもらえればいいのだが、どちらかといえばフランスを応援していただけにちょっと残念だ。それにしてもあのジダンの頭突きは何だったんだ。よっぽどひどいことを言われたんだな。「ハゲ」とか。
●上川主審は結構あちこちでほめられているが、是非その調子でJリーグでも立派な笛を吹いていただきたいものだ。ちなみに「kicker」での上川主審の3位決定戦の評価は「3」、「ファウルとダイブの判定に何度か失敗、ドイツの明白なCKを一つ見逃した」。まあ、悪くない評価と言っていいんじゃないか。

■2006年7月9日(日)  【ドイツ×ポルトガル

●見事な勝利だった。この大会では今いち目立ってなかったシュヴァインシュタイガーが最後に実質ハットトリックとも言える活躍をして最後をうまくまとめてくれたと思う。「終わりよければ…」じゃないけど、この試合を勝って終わるか負けて終わるかで印象も随分変わってくる。結局ドイツは7試合して一つも負けずに(5勝2分)地元開催のワールドカップを終え、3位になった。戦前の評判からすれば十分すぎる結果だろうと思う。
●この試合ではカーン、ノヴォトニー、ヤンセンと、これまで出場機会のなかった選手を先発させ、他にもハンケ、ヒツルスペルガーを途中で投入した。雰囲気としては確かにエキシビジョンぽい和やかなものもあったが、試合自体は中盤で激しくボールを奪い合う緊張感の高いものだったと思う。ドイツはバラックを休ませたが、戦い方の質は下がらず、いくつかあった決定的なピンチもカーンが気合いの入ったセーブを見せて最少失点に押さえた。
●試合としてはポルトガルのオウン・ゴールになった2点目がポイントだったと思う。あれでポルトガルはガックリきただろうし、ドイツは「行ける」と思っただろう。シュヴァインシュタイガーのFKは弾道もスピードもよかったけど、敵のDFが触らなければ枠には行ってなかったんじゃないかな。あのオウン・ゴールで何となく試合が決まった気がする。
●ドイツは右サイドに回ったラームがやはり効いていたし、もちろんシュヴァインシュタイガーもよかった。クローゼには得点させてやりたかったが準決勝以来やや精彩を欠いた感は否めない。ケールもよく動いていたと思う。ヤンセンは代表のレベルではもう少し修行が必要かもしれない。
●採点。
カーン(2)、ラーム(3)、ノヴォトニー(4)、メツェルダー(3.5)、ヤンセン(4.5)、シュナイダー(3)、フリングス(3.5)、ケール(3.5)、シュヴァインシュタイガー(2.5)、ポドルスキ(4)、クローゼ(4)
●代表監督はこのままクリンスマンでいいだろう。まあ、自分から続投したいと言うよりベッケンバウアーに頭を下げさせた方がやりやすいだろうし。それにしてもビアホフはともかく、レヴのことはもう少しみんなほめてやった方がいいんじゃないかな。
●今日のアナウンサーはミヒャエル・シューマッハにちゃんと気づいた。エラかった。まあ、確かにスタンドのショットを意味ありげに抜かれると、「これはだれだっけ」と焦るんだろうな。シューマッハ、ベッカー、グラフは、ドイツ人のカメラマンが見つければ必ず撮るし、ドイツ人のスイッチャーなら必ず映す。有名な政治家、スポーツ選手、サッカー界の重鎮、往年の名選手とかはきちんと事前に顔を押さえておくべきだろう。MVことゲルハルト・マイヤー=フォアフェルダーとか、テオ・ツヴァンツィガー辺りも。
●という訳でワールドカップも終わった。

■2006年7月8日(土)  【ヤンセン先発

●さあ、ワールドカップもあと三位決定戦を残すのみとなった。早起きも日曜日の朝で終わりかと思うと、ちょっとホッとするけど寂しくもあるな。この三位決定戦、クリンスマン監督はGKにカーンを起用、左SBにはヤンセンを先発させるらしい。たぶんこのブログを読んだんだろう。クリンスマン監督が続投を引き受けなかったときは僕が代わりにドイツ代表監督をやってもいいんじゃないかと思えてきた。
●他にもヒツルスペルガーとか先発させるということで、「お楽しみ」的な要素も強いとは思うけど、準決勝で負けたらあとは尻すぼみなのか、それともここでもう一度フレッシュなサッカーを見せるのか、この戦いぶり次第ではクリンスマン続投に傾いた世論もまた変わってしまうかもしれない。世の中なんて移り気だし、ベッケンバウアーだって何を言い出すか分かったもんじゃないし。
●それにしてもベスト・ヤングスターにポドルスキが選ばれたのは大笑いだな。メッシやルーニーをさしおいてポドルスキね。確かにポドルスキはこれからのドイツ代表を担う貴重な才能だけど、ワールドクラスの逸材かと言われると正直ちょっと…。まあいいや、地元の強みだし、3得点挙げたことは間違いない訳だし。これでクローゼが得点王になったら更に大笑いだなあ。
●ところで決勝の審判はメルク博士じゃないんだな。ドイツが決勝に残らなかったので当然メルク博士が主審だと思ってたのに。まあ、メルク博士も最近は必ずしもブンデスリーガでベストではないと言われたりするようだし。
●そうそう、ドイツでは博士号を持っている人は必ず博士と呼ぶ習わしだ。普通の人なら「ヘア・メルク(Herr Merk)」だけど、この人が博士号を持っていると「ヘア・ドクトア・メルク(Herr Doktor Merk)」または「ドクトア・メルク(Doktor Merk)」になる。その博士号がサッカーとは何の関係もない博士号でも(メルク博士は医学博士だか歯学博士だろう)、中継のアナウンサーは必ずそう呼ぶ。
●話は変わるが、こないだのイタリア戦でアナウンサーが初めてスタンドにいるメルケル首相に言及していた。メルケル首相は今回のワールドカップでドイツ代表のほとんどの試合に姿を見せているようだが、テレビにその姿が映っても日本の実況アナウンサーはほぼ無視。カメラが意味ありげに抜く要人のショットに的確なコメントがついたのを聞いた試しがなかった。
●もちろんアナウンサーもドイツに住んでる訳じゃないんだから要人の顔をいちいち覚えてる訳にも行かないだろうが、せめて首相や大統領の顔写真くらい手許に用意することはできるだろう。まったく怠慢だ。ベンチのショットでもクリンスマンはともかく、参謀のヨアヒム・レヴやオリバー・ビアホフにはコメントがない。そういえば前回のときもチームリーダーのルディ・フェラーは分かっても監督ライセンスを持ったミヒャエル・スキベの顔はだれも分からなかったようだ。まあ、世の中そんなもんか…。
●という訳で、早起きのためそろそろ寝ることにしよう。
●ああ、そういえば三位決定戦の後にフランスとイタリアが試合するらしいけど、あれって何?

■2006年7月5日(水)  【早速答え合わせ

●今見たら、もう「kicker」のサイトに採点出てた。
●という訳で答え合わせ。カッコ内の「/」の前の数字が僕の採点、後ろの数字が「kicker」紙の採点だ。

レーマン(2.5/1.5)、フリードリヒ(4/3.5)、メアテスアッカー(3.5/2)、メツェルダー(3.5/3)、ラーム(4/3)、ケール(4/2.5)、バラック(3.5/3.5)、シュナイダー(3.5/3.5)、ボロウスキ(4/3.5)、ポドルスキ(3.5/3.5)、クローゼ(4/4)

ということで、センターバックとケールの評価が食い違ったな。

■2006年7月5日(水)  【ドイツ×イタリア

●ああああああ〜、残念だ〜。せっかく4:30に起きて追いかけ再生しながら見たのに〜。ああ、こりゃこの試合もPKかと思ったオレが悪かった。その集中力を欠いた考えがよくなかった。オレのせいだ。オレのせいでドイツが負けたんだ〜。PKになったらまたレーマンが神になって勝てるとか安易な考えに流れたスキを突かれた。最後まで集中、集中だったのに〜。ああああ〜。取り返しがつかない〜。
●今日は長い一日だった…。
●前半は明らかにイタリアが押していた。中盤で競り負け、効果的なサイド攻撃も繰り出せず、ボールを支配されて防戦に回ったが、最後のところではきっちり守ってイタリアにも決定的なチャンスは作らせなかった。
●後半に入るとイタリアのプレッシャーが目に見えて弱くなり、ドイツはボールを持てるようになって何度かチャンスも作った。オドンコアを投入した右サイドは押しこんでいたし、得点するならこの時だっただろう。だが、結局数少ないチャンスをものにすることができず、スコアレスのまま延長を迎えることになった。
●延長ではイタリアが再び息を吹き返した。ドイツもモラル高く戦い、ポストやらバーやらの応援も受けながら何とか守りきったと思った終了直前…。まあ、あのシュート自体は敵をほめるしかないと思う。いやあ、サッカーは怖い。2点目は総上がり状態の中でのカウンターなのでもうどうでもいいけど。早朝だというのに近所に響く声で「グアア」と悲鳴を上げてしまったよ。
●ケールはよくがんばっていたと思うが、フリングスの穴はやはり大きかったのかもしれない。ケガとか、試合の中でのやむを得ないファイルの累積とかじゃなく、よく分からない試合後の乱闘の責任を問われての出場停止は本人としてもチームとしても悔いが残るだろう。この試合ではクローゼが今いち効いていなかったが守備には貢献した。ポドルスキは確かに決定機を外したが、決定機というのはもともと何回かに1回しか決まらないものなんだし、それはある程度は仕方ないと思う。
●採点。
レーマン(2.5)、フリードリヒ(4)、メアテスアッカー(3.5)、メツェルダー(3.5)、ラーム(4)、ケール(4)、バラック(3.5)、シュナイダー(3.5)、ボロウスキ(4)、ポドルスキ(3.5)、クローゼ(4)
●クリンスマン監督の続投が濃厚のようだが、最終結論は当然ながら三位決定戦の後になるようだ。大会前までクリンスマンをボロクソに言っていたプレスやらドイツの長嶋ことベッケンバウアーが手のひらを返したようにクリンスマンを持ち上げるのもおかしいが、まあ、続投でいいんじゃないか。次のユーロまでは任せてみてもいいと思う。
●三位決定戦は日曜日の早朝。負け惜しみじゃないけど決勝よりは楽に見られそうでよかった。この試合では少しメンバーをいじってみてもいいかもね。僕としては是非ヤンセンを使ってやって欲しい。出番のなかったハンケとか。あと、カーンを出すのもいいかもね。とはいえこの三位決定戦は勝たなければ。クリンスマンの真価はむしろこの試合に勝てるかどうかで決まるかも。相手がどこになるのか知らないけど。
●ところで、ジーコはフェネルバチェの監督になるそうだね。ダウムの後任だね。

■2006年7月2日(日)  【答え合わせ

●ドイツ×アルゼンチンの答え合わせ。カッコ内の「/」の前の数字が僕の採点、後ろの数字が「kicker」紙の採点だ。

レーマン(1/1)、フリードリヒ(3.5/3)、メアテスアッカー(4/1.5)、メツェルダー(4.5/2)、ラーム(3.5/3.5)、フリングス(4/1)、バラック(3.5/3)、シュナイダー(4/4.5、62.オドンコア(3/2.5))、シュヴァインシュタイガー(4/4.5、74.ボロウスキ(3.5/2))、ポドルスキ(4/4)、クローゼ(3/3.5)

という訳で、センターバックの評価が大きく乖離することとなった。もちろんアルゼンチン優勢の苦しい時間帯を再三乗り切った功績はあるにしても、実際のところ随分危なっかしい感じもしたんだけど。あと、フリングスがそんなによかったかなあ。まあ、ボランチなんで目に見えにくいところで敵の攻撃をつぶすという働きはあったんだろうけど。ボロウスキも「kicker」は非常に高く評価したようだ。尚、僕が評価しなかったノイヴィルは「kicker」では「3」だった。
●それ以外の準々決勝も見た。まず、イタリア×ウクライナは土曜日の日中に見たけどほとんど居眠りしてしまってよく覚えてない。ヴォローニンが出てないので見ても仕方ないというか。我々としてはウクライナが出てきてくれた方が戦いやすかったような気もするが、イタリアには今年3月のフレンドリーで1-4と完敗した経緯もあり借りは返さなければならない。
●イングランド×ポルトガルは生で見た。眠かったけど最後のPKまで見てしまった。我々としては宿敵イングランドをホームで迎え撃つことができなくなって残念だが、まあ、ヤツらに勝ち上がってくるだけの力がなかったんだから仕方ないな。ルーニーのワントップで攻撃が単調だったように思う。その後、ルーニーが退場になってからは消耗もあってかハーグリーヴスしか機能していなかったように思える。あのクラウチとかいう人は背が高いのは分かるがサッカーはできるのか。
●そしてブラジル×フランス。何となくフランスが勝つような気がしていた。ていうか、ブラジルに勝つならフランスだろ、って感じ。ブラジルは迫力も華麗さもなく、最後まで必死さとかプライドみたいなものが見えないままあっさり負けてしまった。ロナウジーニョの大会とか言われた割に、さすがロナウジーニョ、みたいな美技、個人技も結局見られなかった気がする。やはりヨーロッパで開催されるワールドカップではブラジルは優勝できないというジンクスは本当だったのか…。
●この結果、準決勝はドイツ×イタリア、ポルトガル×フランスという組合せになった。いよいよ欧州選手権状態になってきたな。ポルトガルとフランスならフランスに出てきて欲しいが、その前にまずイタリアに勝たなきゃな。

■2006年7月1日(土)  【ドイツ×アルゼンチン

●いやあ、泣ける試合だった。これまでもポーランドとかスウェーデンとかそれなりに強い国とは当たった訳だけど、何しろ相手がアルゼンチンなので、これまでのようなイケイケの試合にはならないだろうというのは当然予想された。前半終わって支配率が4割程度と守勢ではあったが、だからといってアルゼンチンが押していたかというとそういう訳でもなく、とにかく互いに先制点を与えないようにと慎重に守った結果だったと思う。
●ところが後半開始早々にドイツはその先制点をあっさり許してしまう。リーグ戦ならともかく負ければ終わりのトーナメントでこれはきつい。しかしドイツはここで下を向かなかった。だが、72分、ラームのうかつな横パスをカットされ絶体絶命のピンチを招いたが、敵がこれを外してくれて命拾いしたところで、もしかしたら何とかなるかもな、という気はした。そして79分のクローゼの同点ゴール。夜中で家人も寝静まっており大声は出せなかったがこれは泣いたね。クローゼはほんと頼りになるようになった。走り方は相変わらずお嬢さんだけど。
●できることならこのまま押せ押せの残り時間であと1点取って90分で勝ちたいところだった。敵は失点前に守りに入ろうとしてリケルメさんという人を交替させたので攻撃の形が崩れてしまったのだそうだ。アルゼンチンの人のことはよく知らないので分からないのだがたぶんそうなのだろう。だが、試合は結局1-1で延長に突入してしまった。
●延長前半はドイツのペースだったが、ここで得点できなかったのはもしかしたらよかったのかもしれない。サドンデス方式じゃないので、仮に延長前半にドイツが得点しても延長30分は戦い切ることになっており、バラックがケガで延長後半ほとんど動けなかったことを考えると、延長前半でリードしてアルゼンチンが捨て身で攻撃してきてたらヤバかったと思う。延長前半を1-1で折り返したので、後半アルゼンチンは攻めながらもやはり後ろは気にせざるを得ない訳で、それで助かったんじゃないか。
●そしてPK戦。レーマンの肩を抱いて声をかけたカーンもエラかったが、それを受け容れ、ガッチリ握手してにっこり笑ったレーマンもエラかった。この絵はよかったね。レーマンは時折信じられないようなチョンボをしたり、審判の見てないところで相手の選手にケリを入れたのがカメラにばっちり写っていて出場停止になったり、PKを蹴ろうとするブットに賭けを申し入れて批判されたり、と面白いヤツで僕は当然カーンより好きだが、こういうときには頼りになる。たぶんカーンより。
●採点。
レーマン(1)、フリードリヒ(3.5)、メアテスアッカー(4)、メツェルダー(4.5)、ラーム(3.5)、フリングス(4)、バラック(3.5)、シュナイダー(4、62.オドンコア(3))、シュヴァインシュタイガー(4、74.ボロウスキ(3.5))、ポドルスキ(4)、クローゼ(3)
●大会前は必ずしも評判が高くなかったドイツがここまできたのはすごいことだ。前回も同じように戦前はあまり評価が高くなかったのに準優勝した訳だが、前回は決勝でブラジルと当たるまで、グループ・リーグがサウジ、アイルランド、カメルーン、16強がパラグアイ、準々決勝アメリカ、準決勝韓国と、いわゆる強豪とは一度も当たらないで勝ち上がったのだった。試合時刻も夜が多く、アジアの高温多湿にやられて消耗した他のヨーロッパの国々に比べて恵まれていた。
●今回はここまでポーランド、スウェーデン、アルゼンチンに勝っての準決勝。この勢いがついたのは実はポーランドとの試合だったと思う。初戦に勝ち、引き分けでもグループ・リーグ勝ち抜けには展望が拓けるこの試合で、実際ロスタイムまで圧倒的に押しながらポーランドの堅守に阻まれ0-0。しかし、交替で入ったオドンコアとノイヴィルのコンビで最後の最後に押し込んだゴールが、オレたちは何がなんでも勝つんだという強い気持ちを目覚めさせたのだと思う。エラいのはノイヴィルだ。
●さて、その他にもヨーロッパの強豪国とブラジル、アルゼンチンが順当にグループ・リーグを勝ち抜け、準々決勝以降はどことどこが当たってもガチンコの好カードという中で、アルゼンチンに勝って準決勝に進んだ意味は大きい。次はイタリアだ。

■2006年6月26日(月)  【答え合わせ

●ドイツ×スウェーデンの採点、答え合わせ。カッコ内の「/」の前の数字が僕の採点、後ろの数字が「kicker」紙の採点だ。

レーマン(4/3)、フリードリヒ(3.5/3.5)、メアテスアッカー(3/2)、メツェルダー(3/3)、ラーム(2.5/3)、シュナイダー(2.5/3)、フリングス(3/2)、バラック(3/1.5)、シュヴァインシュタイガー(3.5/3)、ポドルスキ(2.5/1)、クローゼ(2/1)

ってことで、バラックとポドルスキの持ち上げ方が足りなかったようだ。

■2006年6月25日(日)  【ドイツ×スウェーデン

●ドイツ完勝の試合だった。スウェーデンはもう少し強いのかと思っていたが、終わってみれば結局最後までドイツが圧倒的にボールを支配し、序盤にあげたポドルスキの2得点を危なげなく守りきって勝ったという試合。スウェーデンが前半のうちに退場者を出したこともボディブローのように効いていたのかもしれない。見ている方としても心臓とか胃とかに負担の少ない試合だったと思う。
●試合の流れが決まったのはラーションのPKの失敗だろう。時間帯から考えても、あれでこの試合の帰趨は決したと言っていい。ただ、ドイツとしてはあれほど攻め続けた後半に追加点を奪えなかったのはマズかった。ボール支配率63%、シュート数26-5と、どう考えても一方的な試合だった割に途中からぱったりと得点が入らなくなってしまったのは問題だ。特に9本のシュートを放ったバラックが結果として1点も入れられなかったのが痛い。
●前回書いた通り、調子のいいバラックは強引なまでに自分で決めに来るので、そういう意味ではこの日のバラックは「行ける」と思ってたんだろうけど、今後の勢いとかノリを考えると、この辺でキャプテンには一発決めておいて欲しかったところ。実際、何本も枠に飛んでたのに敵GKに阻まれたり。こうやってチーム全体からツキが逃げるのが怖いな。
●よかったのはやはりクローゼ。歴史に残る名ストライカーって感じでもないし、「凄み」とか「恐さ」という意味ではいかにもおとなしい印象しか与えないんだけど、前回ワールドカップのラッキーボーイ的存在感に比べると、いつの間にかドイツのエース・ストライカーとしてチームを引っ張っている。この試合では得点はなかったが、ペナルティ・エリアでの身のこなしは素晴らしい。
●という訳で採点を。
レーマン(4)、フリードリヒ(3.5)、メアテスアッカー(3)、メツェルダー(3)、ラーム(2.5)、シュナイダー(2.5)、フリングス(3)、バラック(3)、シュヴァインシュタイガー(3.5)、ポドルスキ(2.5)、クローゼ(2)
●採点といえば、こないだのエクアドル戦での採点メモが出てきたので、今さらではあるが掲載しておく。カッコ内の「/」の前の数字が僕の採点、後ろの数字が「kicker」紙の採点だ。
レーマン(3/3)、フリードリヒ(3.5/3)、メアテスアッカー(3/3)、メツェルダー(3/3)、ラーム(3/2.5)、シュナイダー(2.5/2.5)、フリングス(3/3)、バラック(2.5/3)、シュヴァインシュタイガー(4/2.5)、ポドルスキ(3.5/3.5)、クローゼ(1.5/1.5)
●シュヴァインシュタイガーの評価だけがズレたが、他はすべて0.5以内の誤差。どうだろう、「kicker」で雇ってもらえないかな。
●さて、日本時間4:00からの試合となったアルゼンチン×メキシコは録画で見た。アルゼンチンの楽勝かと思っていたらメキシコが非常にモラル高く、先制を追いつかれても集中力を切らさずに走り続け、1-1のままレギュラータイムが終わってしまった。延長に入ったところで録画が切れて実に残念な思いをしたが、結果はアルゼンチンが延長前半に得点して2-1で勝ったようだ。
●この結果、ドイツの準々決勝での相手はアルゼンチンに決まった。僕としてはアルゼンチンよりもメキシコの方が与しやすいかなと思ってメキシコを応援していたんだけど、まあ、こうなったら仕方がない、アルゼンチンに勝つしかないね。
●メキシコのエース、ボルヘッティって、近所で昼間から自転車に乗ってうろついている職業不明のおっさんみたいな顔してるな。あのスター性ゼロの親しみやすい顔はなかなかよかったのに。
●それにしても、今回のワールドカップ、ヨーロッパの強豪とブラジル、アルゼンチンがほぼ順当にグループ・リーグを勝ち上がったと思う。僕として残念だったのはポーランド、チェコ、クロアチアで、それぞれエクアドル、ガーナ、オーストラリアの代わりに残るべきチームだったと思う。でも、そうなるとほんとにヨーロッパ選手権にブラジルとアルゼンチンを招待すればいいって話になっちゃうな。
●さて、日本代表だが、次期監督はマジでオシムになるらしい。川淵キャプテンが記者会見で思わず口を滑らせ、「今のは聞かなかったという話に…、ならないだろうね、やっぱり…」と言ったとか。オシムといえばFC東京との試合のときにベンチから消えたと思ったらトイレに行ってたというのが忘れられないが、まあ、とにかく、人選としては間違ってないと思う。問題は選手や協会がオシムの要求するものに応えられるかどうかということで、千葉の選手やフロントにできたことが代表でできない訳はないんだろうけど。
●それにしても「オシムの言葉」、買っとけばよかったな。今から買うとミーハーだと思われるだろうな。

■2006年6月24日(土)  【日本×ブラジル

●非常に残念ではあるが、まあ、冷静に考えてブラジルに2点差で勝つというのは初めからかなり無理のある目標設定だった訳で、この試合のことだけを見るならそこそこ妥当な結果だったのかもしれない。玉田の先制点は見事だったし、川口の好セーブは見る者を勇気づけ、鼓舞したと思う。川口ってプレッシャーのかかった大きな試合で高い集中力を見せる。僕は別に好きでも何でもない選手だけど、そこのところは日本代表の中にあって評価されるべきだろう。
●試合の流れとしては、だれもが口を揃えて言うとおり、序盤のブラジルの猛攻を川口がしのぎきり、アレックスの見事なパスから玉田が決めた先制点で流れはグッと日本に傾きかけていた。前半は何が何でも1-0で終わるべきだった。「たられば」になるが、リードしたまま前半を終えていれば、何かが起こってもおかしくはなかったのだ。
●だが、前半ロスタイムに同点にされたことで我々にとってこの試合は壊れてしまった。1-0から何とかしのぎきってあと1点をワンチャンスで狙いに行くというのはまだイメージできるが、追いつかれてここからもう一度2点取りに行くというのは実際問題として難易度が高い。たぶん観戦していた日本中の人がそう思っただろうし、その時点で日本は負けていた。
●これまた多くの人が口を揃えて言うとおり、この試合でそこまで追いつめられたのは一にも二にもオーストラリア戦で負けたからだ。あの試合の残り10分で、日本にとってのWM2006は終わったと言ってもいいくらいだ。オーストラリアは日本と同じようにブラジルに負け、クロアチアと引き分けたが、日本に勝ったのでトーナメントに進むことができた。星勘定的にも、流れ的にも、初戦で勝てる相手に負けたことがすべてだった。
●そして、今になってジーコ監督批判が噴出している。選手の自主性に任せたチーム作りが間違っていた、と。そういう声はこれまでもあったが、ワールドカップへの出場を決めたことでしばらく沈静化していた。それがグループ・リーグ敗退を受けてまたやかましくなり始めている訳だ。
●もちろん批判は自由だし、ジーコ監督の方針がすべて正しかったという訳でもないだろう。だけどワールドカップに出てクロアチアから勝ち点を奪い、ブラジルにもオーストラリアにも先制点を挙げたのは事実だし、その功績はまずきちんと認めなければならないだろう。戦術とか戦略とか、根性とか精神修養が好きな人には合わなかったのかもしれないが、とにかく能力の優れた選手が11人揃ってうまくやってればそれなりの結果は付いてくるだろうというおおらかな考え方も僕は嫌いではない。ただ、それには選手の能力と自覚が足りなかっただけなんじゃないか。
●いずれにせよ、日本代表のWM2006は終わった。代表監督は交代し、代表のメンバーも少しずつ入れ替わるだろう。監督はだれになるんだろう。オシム監督がいいなあ。まあ、アドフォカートじゃなきゃだれでもいいや。

■2006年6月21日(水)  【エクアドル×ドイツ

●よく分からない試合だったが、終わってみればドイツの完勝だった。途中、エクアドルが中盤を仕切っているように見えた時間帯もあったが、そこから前への展開が大雑把だったな。ドイツは気温を意識してセーブしていたのか、エクアドルにボールを預けて最終ラインで守り、ボールを持ってもやみくもに放りこまず、チャンスを確実に決めて効果的な時間帯に加点して勝ったというイメージ。
●支配率はエクアドルが57%とドイツを圧倒しているのだが、シュートはドイツの15本に対してエクアドルは7本。やはりドイツが効率的に勝ったという感じが強い。これが初めからそういう作戦だったというのならすごいんだけどなあ。
●クローゼの宙転は久しぶりに見た気がする。ポドルスキがゴールを決められてよかった。NHKのアナウンサーはさかんにバラックをほめていたが、そんなに切れ切れにも見えなかった。まあ、ヤツにしてみればあんなもんで普通じゃないのかな。本当に調子よければもっと出しゃばって自分で得点してると思う。
●これでドイツはグループ・リーグ3連勝、1位突破を決めた。B組ではスウェーデン×イングランドが引き分けに終わったため、イングランドが1位、スウェーデンが2位になり、ドイツは次戦をスウェーデンと戦うことになった。イングランドとは決勝(か3位決定戦)まで当たらないことになった。実に残念だな。
●ところでみんな本当に4:00に起きて日本×ブラジル見んの?

■2006年6月19日(月)  【日本×クロアチア

●またしても勝てる試合だった。しかし、負けてもおかしくない試合だった。結果としてはスコアレス・ドローは妥当だったかもしれない。いや、川口のPKセーブがなかったら負けていた訳だからラッキーだったのかもしれない。
●前へ、という意識ははっきりしていたし、遠目から積極的に狙っていった中田とか、ペナルティ・エリア近くで何度も突っかけたアレックスとか、モラルも高かったと思う。最後はどちらもバテバテだったけど、守備は最後までよく集中した。「とにかく最後に1点何とかする担当」の大黒が機能しきれなかったのは残念だったが、ヤツを責める訳にも行かないだろう。
●勝ち点1を何とか守ったので、グループ・リーグ突破のための最低限の条件はクリアした訳だが、次の相手がブラジルだということを考えると実際には状況は極めて苦しい。まあ、そんなことはみんな分かっていることだけど。問題は金曜日の朝4:00からの試合をどうやって見るかだが、これはもう、前日早く寝て4:00に起きるしかないね。まあ、エクアドル×ドイツが火曜日の23:00で普通に見られるので、日本のグループ・リーグ最終戦は生で見ようか。
●星勘定はこの後のブラジル×オーストラリアの結果を見てからの方がいいだろう。ただ、この試合でどちらが勝っても(あるいは引き分けでも)、日本はブラジルに大差で勝つ以外に勝ち抜けの道がないのは変わらない。ただ、できることならブラジルに大差でオーストラリアに勝ってもらい、先に勝ち抜けを決めて日本戦は主力を落としてくれるとともに、オーストラリアの得失点差をマイナスにしておいてくれることを期待したい。この試合でブラジルの勝ち抜けが決まらなくて、日本戦にマジで当たってこられるとちょっともう何というかアレだろう。
●既にFC東京の人ではないけど、加地君がワールドカップで一所懸命サッカーをしているのは微笑ましい。何をしても微笑ましい加地はエラい。加地のクロス、加地の突破、ああ、なんて微笑ましいんだろう。

■2006年6月18日(日)  【ドイツのサッカーくじ

●ドイツのサッカーくじ「Oddset」での今夜の日本×クロアチアの倍率は以下の通り。

日本の勝利:3.60倍
引き分け:2.85倍
クロアチアの勝利:1.70倍

まあ、そんなもんだろうな。

ちなみにブラジル×オーストラリアは、

ブラジルの勝ち:1.20倍
引き分け:4.00倍
オーストラリアの勝ち:8.25倍

ということになっている。

更についでに見ると、フランス×韓国は、

フランスの勝ち:1.35倍
引き分け:3.25倍
韓国の勝ち:6.00倍

である。ということは日本クロアチアに勝つ確率は、オーストラリアがブラジルに勝つ確率より、韓国がフランスに勝つ確率よりも高いということだ。悲観する必要はないぞ。

■2006年6月18日(日)  【「スラウテルン」って何だ?

●さて、昨夜はアルゼンチン×セルビア・モンテネグロを見た訳だが、これが何というかひどい試合だった。いや、アルゼンチンは普通に強かった訳だが、セルビア・モンテネグロが前半の3点目を取られた辺りで完全に集中力を失ってしまって。横浜の岡田監督も言っていたが、僕ももっと均衡した面白い試合になるものだとばかり思っていた。せっかく最初から最後まで見てたのに、残念だ。
●今日は外から帰ってきてポルトガル×イランを見た。ポルトガルはフェルナンド・メイラ以外どうでもよくて、逆にイランにはハシェミアンやマダヴィキアやカリミやツァンディがいるので、僕としては完全にイランに肩入れして見ていたのだが、デコとかいうよく分からない地味な風貌のおっさんに得点を決められ、さらには得体の知れない若造にPKを献上して負けてしまった。残念だ。
●結局いくつか録画しておいた試合も見ずに消してしまった。やっぱり結果の分かった試合の録画をためておいてまとめて見るというのは無理があるな。まあ、週末に時間が空くのがある程度分かっていればそれもいいだろうけど。生で見られなかった試合はダイジェストとかで十分かも。結果が先に分かると録画見る気も一気に失せるし。問題は朝4:00からの日本×ブラジルだな。あと、決勝トーナメントに入るとキックオフは日本時間の0:00か4:00になる。決勝は3:00。つらいなあ…。
●僕は以前にも書いたとおりNHK-BSで中継を見ている。NHKのアナウンサーもそこそこうるさいが、まあ、民放よりはマシだろうということで。ただ、情けないのは、試合が止まったとき、どのプレーのどの部分がファウルだったのか、あるいはオフサイドだったのか、そういう試合の流れの説明がほとんどないことである。
●特に、すぐにリスタートしてしまうとその辺の説明は必ずと言っていいほどすっ飛ばされることになる。テレビ画面だけ見ていると、今の笛がいわゆるファウルだったのか、オフサイドだったのか、ハンドだったのか分からないことも多いが、ワールドカップの場合、アナウンサーは現地にいるのだろうから、そこをきちんと説明して欲しいものだ。あと、審判が笛を吹かなかった怪しいプレーもな。
●あと、すごく気になるのが試合の表記の方法。例えば日本の初戦だったオーストラリア戦は、FIFAのマッチ・スケジュールではオーストラリア×日本だが、おそらく日本中のメディアが日本×オーストラリアと書いていたと思う。確かにワールドカップでのホーム側とアウェイ側は便宜的なものだろうが、それでも一応きちんと決まっているのだからそれを尊重したらどうだ。
●てか、日本のメディアは例えば相手国で行う親善試合でも自国を先に書くだろう。おかしいよ。海外と比較するのは好きじゃないけど、例えば僕の愛読する「kicker」では、こんなふうに、相手国で行う親善試合では相手国をきちんと先に表記している。我々はちょっとホームとアウェイの意識がなさすぎじゃないのか。
●あと、もうひとつついでに言っておくが、カイザースラウテルンは、どこかで一息入れて読むとすれば区切りは「ス」と「ラ」の間にあるので間違えないで欲しい。「Kaisers/lautern」である。この地名は長いので、よく略して「Lautern」と呼ばれており、このサイトでもそうすることが多い(「メンヘングラードバッハ」を略して「グラードバッハ」と呼ぶように)。「カイザー」と「スラウテルン」に別れて書かれている雑誌とかサイトとか結構あるけど、笑ってしまうのでやめて欲しい。「スラウテルン」って何だよ、「スラウテルン」って。

■2006年6月17日(土)  【ドイツ×ポーランド

●前日22:30に寝て、4:00に起きた。録画したら見られるのは早くてもその日の夜だし、それまでにはイヤでもどこかで結果を知ってしまうことになるし、そうなると録画を見る気もなくなるし。
●結論から言えば早起きした甲斐のある試合だったと思う。得点は最少だったが、ドイツもポーランドもモラルが高く、緊張感があって、仮に0-0でも満足できる試合だった。特にポーランドの集中力はすごかったと思う。ドイツは本当のところは負けなければいい、勝ち点が上積みできればいいという試合だったはずだが、最後の最後に1点取ったのはエラかった。
●この試合のヒーロー、オリヴァー・ノイヴィルは僕が長い間ブンデスリーガで最も好きな選手として支持してきた人だ。ロストックからレバークーゼンへ、そして、あろうことか我がグラードバッハに移籍し、着実に得点を挙げ続けている。ドイツ人のスポーツ選手には珍しく小柄で、ちょっと猫背だが、スピード、ストリート・フットボール型のテクニックが僕の好み。この日の活躍は本当に嬉しかった。
●ドイツはこれで2連勝、翌日に行われたエクアドル×コスタリカでエクアドルが勝ったので、A組は最終節を残して既にドイツとエクアドルの勝ち抜けが決まってしまった。僕としてはドイツとポーランドの勝ち抜けを予想していただけに、ポーランドの敗退はショックだけど、まあ、初戦でエクアドルに負けたのがすべてだったと思う。
●他はまあだいたい勝つべきところが順当に勝っているという感じだな。 ●オーストラリア×日本は、主審の判定をめぐって議論が続いているようだ。論点はふたつあって、中村の得点はファウルだったのではないかということ、それから駒野がペナルティ・エリアで倒されたのはPKではなかったのかということだ。どちらもその通りだと思うけど、まあ、終わっちゃった試合なのでもう仕方がない。いずれにしてもいい加減な審判だったと思う。そういう審判に当たったのが不幸だったということで。

■2006年6月13日(火)  【オーストラリア×日本

●ああ、もったいない試合だった。でもまあ、内容から見れば1-3はそれなりに妥当な結果だったのかもしれない。こちらの1点はキーパー・チャージを審判が見逃してくれた得点だったけど、最後の失点もDFを減らして前がかりになる中での覚悟の1点だろうから、0-2だと思えばこんなもんだろう。何とか守りきってしのぎきって勝てるかとも思ったけどそこまでは許してもらえなかったということか。
●これで日本は残り2試合、クロアチアかブラジルのどちらかには必ず勝たなければならなくなってしまった。想定し得るベストのシナリオとしてはクロアチアに何とかして勝ち、2連勝して先に勝ち抜けを決めたブラジルがジーコに華を持たせるつもりで主力を下げたところを引き分けるとかそんな感じか。それを考えると勝ち越しを許したのは痛かった。せめて何とか引き分けで終えるべき試合だった。
●今夜はこの他にもアメリカ×チェコ、イタリア×ガーナと、見たい試合が続くが、明日も仕事なので録画して寝ることにする。明日は、このうちどちらかを夜見て、フランス×スイスと、ブラジル×クロアチアを録画。明後日はスペイン×ウクライナを生で見てドイツ×ポーランドを録画。木曜日はドイツ×ポーランドの録画を見てスウェーデン×パラグアイを録画、金曜日はアルゼンチン×セルビア・モンテネグロを生で見て、オランダ×コート・ジボワールを録画。えっと、この時点でたまった録画は何試合分だ?

■2006年6月12日(月)  【答え合わせ

●「kicker」のサイトでドイツ×コスタリカのスコアリングが発表されているのでおさらいしておこう。カッコ内の前の数字が僕の評価、後ろの数字が「kicker」紙の評価だ。
●レーマン(4/3)、フリードリヒ(4/6)、メアテスアッカー(4/4)、メツェルダー(4/4.5)、ラーム(2.5/2)、フリングス(2.5/3)、ボロウスキ(3.5/4)、シュナイダー(3.5/3.5)、シュヴァインシュタイガー(3/3)、ポドルスキ(2.5/5)、クローゼ(1.5/2.5)
●評価が大きく乖離したのはフリードリヒとポドルスキ。フリードリヒは僕も辛めに付けたけど、「kicker」の評価がちょっと極端だな。ポドルスキはそんなに悪かったかな。よく動いてたしクローゼを生かしてたと思うんだけど。他は概ね一致していると思う。
●オーストラリア×日本はまた後で。

■2006年6月11日(日)  【エリクソン監督とニアミス

●さて、ドイツ代表は勝ったものの、ポーランドはエクアドルに負けるわ、イングランドはパラグアイに勝っちゃうわで、僕的には予定が狂いまくっている訳だ。最近初めてこのブログを見る人がいるといけないので書いておくけど、このブログはドイツ代表に一方的に肩入れしており、それ以外のヨーロッパ強豪国(イタリア、イングランド、スペイン、ポルトガル、オランダなど)に対してはつらく当たることになっているので注意して欲しい。それ以外の国に対するスタンスは、その国にブンデスリーガで働いている選手が何人いるかでだいたい決まると思ってもらっていい。
●そういう意味ではポーランド×エクアドルは断然ポーランドだったんだけど、いいところなかったね。クジノベックもエビちゃん(スモラレック)もがんばってたけど。クジノベックは昔ニュルンベルクにいた頃から何となく気になって、「kicker」のマネージャーシュピールにも入れたことがある。まあ、ドイツとしてはコスタリカとエクアドルとポーランドがつぶしあってくれた方が楽に勝ち抜けるからいいけど。この組はドイツとポーランドの勝ち抜けだと思ってただけに意外だった。
●イングランド×パラグアイは、もともとイングランド嫌いな上に、パラグアイにはロケ(サンタクルス)とバルテスがいるのでやっぱパラグアイ応援が基本。序盤のFK一発で0-1はもったいない結果だった。バルテスもいい動きをしていたのに。ロケはもうちょっとやれたんじゃないか。イングランドではハーグリーヴスが出たのはちょっと嬉しかったけど。昔、エリクソン監督の乗ったクルマが僕のすぐ脇を通り過ぎたことがあるというのが自慢。
●グラードバッハのスタジアム(今はなきベケルベルク)に向かう途中、通行禁止の道を、係員に柵を開けさせて通っていったクルマがあって、別の係員が「今の何だったんだい?」と聞くと柵を開けた係員が「イングランドの代表監督だってさ」と答えてるのが聞こえたのだ。その日はバイエルンを迎えての試合で、エリクソン監督はどうもハーグリーヴスを見に来ていたらしい。その直後くらいにハーグリーヴスがイングランド代表に初招集されたんだ、確か。
●パラグアイの方は、ササを代表に呼ばなかったのがよくないんじゃないのか。確かにFC東京では出番ないけどさ。東京にはちょっともったいない選手。てか、全員で運動量多く走りまわるサッカーには合わないんだよな。ゴール前で張ってて、1試合で1回、決定的なチャンスできっちり働いてくれればそれでいい、って人なんだから。残りの10人でやるから、君は前線に残ってていいよ、ってくらい余裕のあるチームでないと生きない人だろう。
●今夜はセルビア・モンテネグロ×オランダを見る。これは微妙だけど、世間様がたぶんオランダびいきだろうから、僕はセルビア・モンテネグロを応援かなあ…。

■2006年6月10日(土)  【ドイツ×コスタリカ

●ついにWMが始まった。あんまり見るつもりもなかったのだが開会式から見てしまった。何か、ドラムの人が整列したときに微妙に列がズレてたりとか、円になってグルグル回るようなダンスのときに円が全然いびつだったりとか、そういう大雑把さがいかにもドイツだなあと思った。かつては一糸乱れぬ規律を誇った国ではあるけど、まあ、最近のドイツてばこんなもんだろ。
●開会式の中頃、優勝経験のある国の当時の選手が入ってくる演出があって、ドイツでは結構有名どころが勢揃いしていたが、中継のアナウンサーがあんまり言及してくれなかったのが寂しかった。僕が画面で確認した限りの名前を挙げておこう。
●1974年優勝メンバー:ベアティ・フォクツ、パウル・ブライトナー、ギュンター・ネッツァー、ユップ・ハインケス、ウリ・ヘネス
1990年優勝メンバー:アンドレアス・ブレーメ、ユルゲン・コーラー、ギド・ブッフバルト、ピエール・リトバルスキ、ルディ・フェラー、ローター・マテウス
●ちなみに、74年の優勝メンバーというのは、僕の場合、現役時代を知っている訳ではなく、ドイツのスポーツ番組とかでコメンテーターとして出てきたりする顔を知っているということ。まあ、フォクツは代表監督だったし、ハインケスは他ならぬ我がグラードバッハの監督だし。ウリ・ヘネスは別に見たくないので出てこなくてよろしい。
●NHK-BSでは試合前にリトバルスキをつかまえてコメントを取っていたが、驚くべきことにリトバルスキが日本語で答えていた。まったく片言の、「カレハヒダリキキ、ヘディングモウマイ、トテモオモシロイセンシュ」式ではあるが、きちんと受け答えになっているところがすごい。恐るべし、リトバルスキ、というか嫁さんの力…。
●で、開幕戦であるドイツ×コスタリカの試合の方だが、ドイツはバラックをケガで欠き、代わってボロウスキが中盤で先発した。アナウンサーはボロウスキが下がり気味なのをしきりに言っていたが、たぶん初めからフリングス、ボロウスキのダブル・ボランチで右にシュナイダー、左にシュヴァインシュタイガーを配し、ツートップにポドルスキとクローゼという布陣で、いわゆるトップ下は置かず流動的に動くプランだったんじゃないかと思う。バラックのポジションを単純にボロウスキに置き換えたということじゃないだろう。
●ほとんどの人がこの試合を見たと思うので内容を詳しく述べることはしないが、ドイツが終始ボールを支配し、効果的に加点して勝ったという本来なら完勝と言うべき内容だった。しかしいただけないのは2失点。ボールを支配して押し上げているのでラインが上がって裏にスペースができちゃうのはある程度仕方のないことだが、それにしてもコスタリカの「これしかない」攻撃に2度もオフサイドトラップをくぐり抜けられ無用な失点を喫したのはひどい。まあ、2点目は実際オフサイドだったと思うけど。
●DFに問題があるというのはずっと言われてきたことだけど、やはりDFにはリーダーシップがあってラインを統率できる中堅かベテランを一人入れるべきではないのかと思う。その意味ではヴェアンスがクリンスマンとケンカして代表を外れたのが決定的に痛かった。その穴を埋めるのはノヴォトニーしかない。ケガでブランクが長く、最近のパフォーマンスには疑問の声もあるが、メツェルダー、メアテスアッカーじゃ、どっちが声出してライン上げ下げしてるんだよって感じで心許ないことこの上ないし、それはフート辺りを出しても一緒じゃないかな。ノヴォトニーの復活を希望する。
●それを除けば、この試合では最低限何を達成しなければいけないか、そのためにはそれぞれの局面で何をすればいいか、ということがきちんと共有されていてモラルも高かったと思う。とにかく初戦に勝ったことで星勘定的にもすごく楽になった。次のポーランド戦に引き分ければ決勝トーナメントも見えてくる。もともと恵まれたグループではあるけど、地元開催でしかも開幕戦というプレッシャーのかかる試合で、きちんとやるべきことをやったという点は評価できる。
●採点(「kicker」式):
レーマン(4)、フリードリヒ(4)、メアテスアッカー(4)、メツェルダー(4)、ラーム(2.5)、フリングス(2.5)、ボロウスキ(3.5)、シュナイダー(3.5)、シュヴァインシュタイガー(3)、ポドルスキ(2.5)、クローゼ(1.5)
●この後、録画しておいたポーランド×エクアドルを見る。どっち応援するかってそりゃポーランドだろ。レバークーゼンのクジノベックもBVBのスモラレックもいるし。

■2006年6月7日(水)  【実況も解説も要らない

●テレビの話の続きだけど、民放のあのやかましい中継は何とかならないのかなあ。アナウンサーが一人で盛り上がって、ひいきのひき倒しみたいな、こっちがこそばくなるようなコメントや絶叫連発で、ヤツらのボルテージが上がるごとにこっちはしらけて行く訳だが、みんなあれがいいと思っているのだろうか。今、起こっていることを的確に、過不足なく伝えるというごく当たり前のことだけやってくれればそれでいいんだけど。
●それから解説と称して大挙して出てくる読売OB他もウザいよな〜。彼らの発言がいったい放送にどれほどの付加価値を与えているのかまったく不明だと思う。専門家の立場から、普通にテレビを見ているだけでは分からない駆け引きとか好プレーとかの見どころをきちんと説明してくれるのが彼らの仕事だと思うけど、そんなまともな解説がいったいどれくらいある?
●そういう意味でマシなのはやはりNHK。だからBS1で大半の試合を中継してくれるのは嬉しい。あとはスカパーのハラヒロミ解説には期待したい。ハラヒロミはいい。ちゃんと笑いも取れるところが素晴らしい。ハラヒロミ以外の解説者は要らないので、寡黙なアナウンサーのみでいい。
●あるいは、副音声でいいので、もう実況も解説も一切入れないで、スタジアムの音声だけを流して欲しい。間違いなくそのチャンネルにする。だいたいスタジアムに見に行ったら実況も解説もないのが当たり前なんだし。
●とか何とか言ってるうちに、いよいよ金曜日の深夜にはドイツ×コスタリカ。HDDレコーダの無駄な録画消しておこう。

■2006年6月5日(月)  【日本×マルタ、テレビ中継のこと

●何というか、ダメなときのFC東京を見ているような試合だった。というか、ダメなときってどのチームも同じように見えるということか…。まあ、ドイツ戦が出来過ぎだったので、この試合でもう一度頭を冷やせということだろう。何を確認するための試合かということの意思統一ができてないような気がした。
●それにしても最後の4-5-1ってだれがどこにいるのかよく分からなくて笑ったな。小野と中村と小笠原ってどう並べるんだ、いったい。中田もいるし、最後には稲本も出てくるし。それにしてもどうして小野ってスタメンじゃないんだろ。福西より小野を出そうよ。悪いけど福西嫌いなので。
●さて、今回のWMだが、テレビ中継がどうなっているかチェックしてみた。結論からいうと、NHK-BSが入ればほぼすべての試合を生で見られるということ(録画中継でよければ全部の試合を見られる)。ただ、NHK-BSで生中継しない9試合のうちのひとつが日本×クロアチアなので、これは独占中継になるテレ朝を見る他ないだろう。日曜日の夜10時からの試合だし。
●NHK-BSで生中継しないもうひとつの重要な試合が6月20日のエクアドル×ドイツ。まあ、これはNHK総合でやるのでそれをみればいい。夜11時からの試合だ。
●あと、日本の海外サッカーかぶれどもには痛すぎるのが6月22日のチェコ×イタリア。これはなぜかNHK-BSどころかどこの局でも生中継がない。夜11時からの試合なのに。僕としてはイタリアには何の思い入れもないが、コラーとロジツキーは見たいところ。二人とも来季はBVBからいなくなるらしいけど。
●スカパーでは全試合を録画中継する。WM専門チャンネル(181ch)はこの期間無料放送になる。まあ、CSの受信設備は必要だけど。どのみち録画で見ることになりそうな日本×ブラジルがスカパーでは実況:倉敷保雄、解説:ハラヒロミ。これはNHK総合よりこっちを録画するべきだろう。

■2006年6月4日(日)  【LTUアレーナ

●今日の日本×マルタが行われるデュッセルドルフは僕が1995年から2002年まで7年間住んだ街。あのまま住んでたらこの試合だってたぶん見に行くんだろう。デュッセルドルフにはもともとラインシュタディオンという立派なスタジアムがあったんだが、WMをあてこんで取り壊し、巨費を投じて新しく建て直した(250億円くらいかかってるらしい)。ラインシュタディオンのどこが不都合なのか僕にはさっぱり分からなかったが、結局新しくできた多目的アリーナはWMの試合会場に選ばれなかった。
●で、その多目的アリーナが今夜の日本×マルタの舞台になる。流行りの命名権売却のため名前は「LTUアレーナ」。LTUというのはリゾートへのパックツアーを組んで飛行機を飛ばす航空・旅行会社である。ま、そんなことはいいとして、写真で見る限りすごくピカピカのアリーナのようだ。情けないのはここを本拠地にするフォーテュナ・デュッセルドルフがレギオナルリーガ所属だということ。レギオナルというのは要は3部リーグで、今季も2部には上がれなかった(5位)。せいぜい5千人程度の動員に5万人収容の新品スタジアム…。フォーテュナがもう少し強ければ(せめて2部なら)僕もグラードバッハじゃなくてフォーテュナを応援してたんだけど。
●しかしこのスタジアム、フォーテュナのホームゲームの他にも別の大事な使い道がある。デュッセルドルフに本拠を置くNFLヨーロッパのライン・ファイアがやはりここをホーム・スタジアムにしているのだ。こっちは2万人以上を動員しているようだから、この方がメインかもな。ドイツ人がアメフト好きだということは意外と知られていないが、もともとヨーロッパ各地に点在したはずのNFLヨーロッパのチームが、いつの間にかドイツに5つ(デュッセルドルフ、ケルン、ベルリン、フランクフルト、ハンブルグ)、オランダにひとつ(アムステルダム)という状態になってしまったのがそれを物語っている。実際、ほとんどNFLドイツ状態だ。まあ、あのシステマティックなルールはドイツ人好みかも。

■2006年6月3日(土)  【ドイツ×コロンビア

●WM前に行われる最後のフレンドリーが我がボルッシア・パークで行われた。相手はコロンビア。ドイツは右SBにフリードリヒを戻し、シュナイダーは中盤へ。これに伴ってボロウスキがベンチスタートとなった。また、左SBには日本戦で今ひとつの出来だったヤンセンに代わってラームが先発した。
●試合はドイツが20分にバラックのゴールで先制、37分にはシュヴァインシュタイガーがFKを直接決めて、2-0で前半を折り返した。ドイツは69分にもボロウスキの得点で駄目押し、そのまま3-0でコロンビアに完勝した。地元へのサービスもあってか62分にノイヴィル、73分にヤンセンを投入。その他、本番への調整を意識したのか日本戦で出番のなかったケール、アザモア、ヒツルスペルガーも後半途中から起用した。
●この記事は「kicker」のサイトを見ながら書いているのだが、このサイトのレイアウトが6月から変わって見にくいことこの上ない。すぐに見慣れるんだろうと思うけど、僕の重要な情報源なだけに、この使いにくさはつらいところ。
●既に何度も書いていることだが、FIFAにエントリーされた各国のベンチ入りメンバーを顔写真入り、背番号付き、所属クラブとか略歴付きでクールにまとめたデータブックみたいなのって存在しないのかな。本屋で見かけた「ちびSportiva」がいい線行ってるかなと思って買いかけたが、よく見ると各国のノミネートのうち16人しか載ってない。残りの7人は文字データすら載ってないし、そもそも背番号がない。これじゃテレビ観戦の友には使えないよな。
●て訳で、やっぱりWMの公式サイトのここから落としたエクセル・ファイルを自分で加工して手許に置くしかないようだ。顔写真がないことを除けば取り敢えず最低限必要な情報(国、背番号、名前、年齢、所属クラブとその国)がコンパクトにまとまってるし。それにしてもムダにぜいたくな紙使ってカラー写真とか下らない現地レポートとか載せてる「ワールドカップ本」はいっぱいあるのに、こうしたまともなデータブックがどこからも出てないというのはどういうことなんだろうな。
●公式サイトで提供している「FIFA WMマネージャー」も楽しそうで、早速エントリーしてみた。この話はまた今度。あと、公式サイトでは、各試合の結果を入力すると自動的に順位表や決勝トーナメントの組合せ表ができあがる便利なエクセル・ファイルも提供されている。

■2006年6月1日(木)  【ドイツ×日本

●目が覚めたら5時20分頃だった。ドイツ×日本は録画して夜ゆっくり見ようと初めから思っていたのだが、よく考えると録画をセットするのをすっかり忘れていた。まだ間に合うと思って眠い目をこすりながら居間へ行ってテレビをつけると、居間から録画するくらいならこのまま見た方が早いじゃんという気になり、結局そのまま最後まで見てしまった。
●場所はバイアレーナ。南ドイツに行くときにいつも通ってたアウトバーンからハエたたきみたいな照明灯をよく横目で見た。このスタジアムでサッカーを見ることは結局なかったが、まさかここで日本代表がやるなんてな。デュッセルドルフからも近いのできっと日本人もたくさん来たことだろう。「kicker」によれば入場者は22,500人でチケットは売り切れらしいじゃないか。
●で、試合の方だが、結果は誰もが知っているとおり2-2の引き分け。日本相手に2点を先制されたのは不甲斐ないが、まあ、後半力ずくで追いついたのは評価するべきだろうか。何しろHSVの控えFWに2点も取られてるんだもんな。個人的にはやはりノイヴィルがよかったと思う。ヤンセンは今いちだった。もっと攻撃参加があってもよかった。シュヴァインシュタイガーは気を吐いていた。
●ドイツは疲れもあってかちょこまか走りまわりパスを交換する日本を捕まえきれてなかったということだろう。一対一の競り合いや空中戦では圧倒的にデカいし強いが、動きが重かったと思う。得点もセットプレーからしか入ってないし。レーマンはよかった。FAZの評もドイツの中ではレーマンがベストだったと書いている。まあ、FAZのサッカー評がどれくらいあてになるかは別として。
●FC東京の茂庭がワールドカップ代表に追加召集された。田中がケガで欠場を余儀なくされた結果巡ってきたチャンスだが、FC東京ファンの僕としては、田中には悪いが茂庭が出られて素直に嬉しい。ギリギリのところで出場を逃していただけに、このチャンスをしっかり生かして欲しい。これでFC東京からは土肥と茂庭が代表に入った。今野も入れてやりたいなあ。
●そういえば、もう東京の人じゃないけど加地君のケガは大丈夫なのかな。



Copyright Reserved
2006 Silverboy & Co.
e-Mail address : silverboy@silverboy.com