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リスニング、トラブルで436人再テスト センター試験 (朝日新聞 2006年1月22日)

50万人を超える受験生が挑んだ大学入試センター試験は21日、1日目の日程を終えた。初めて実施した英語のリスニングテストでは、全国の試験会場で、ICプレーヤーの不具合などによって聞き取れないトラブルが相次いだ。トラブルに遭った受験生に対しては再テストが実施された。大学入試センターの22日午前1時半現在のまとめによると、448人が再テストを申し出てうち436人が実際に受けたことが確認された。センターは「予想を超えるトラブルだ」としており、原因の分析を急ぐ。

(中略)記者会見したセンターの松浦功事業部長によると、昨年に実施した試行テストの際には、約3万5000人の受験に対して故障は18台だった。今回は、その故障率を上回る予想外の結果となったが、松浦部長は「改良して来年度も同じシステムで実施する」と述べた。


僕は別にICプレーヤーの専門家でも何でもないんだけど、こういうものの不良発生率というのはそんなに短期間に変わるものではないと思う。試行テストの際の故障率はこの記事からすれば約0.5%であり、この故障率から計算すると本番で実際に故障品に当たった人は250人余りのはずだということになる。では残りの200人弱は何なのか。ICプレーヤーの故障率がその間にほぼ倍増したというのか。

僕はそうではないと思う。試行テストのときには気にもならなかった程度のノイズが、本番では問題も聞き取れないほどの雑音に感じられたというだけのことではないのだろうか。今回、「聞き取れない」と申し出た受験生の使ったICプレーヤーは全台検査するのだろうが、その結果、機械的な不良が発見されるのはせいぜい半分程度、あとはいくらやっても不具合なんて再現できないんじゃないのかな。

もちろん、人生の岐路に立ち、極度の緊張感の中で試験を受けている受験生にナーバスになるなという方が無理だというのは僕だって一応分かってはいる。実際に機械が故障しちゃったケースだってそりゃあるだろう。あるいは隣の受験生が監督官に不具合を申し出てぼそぼそ相談するもんだから気になって問題を聞き逃した、みたいなケースだってあるかもしれない。

だけどまあ、冷たい言い方をすれば、君たちがこれから出て行く社会なんてトラブルの連続だ。自分にはどうしようもない出来事で人生が大きく狂ったりする人はたくさんいる。そんなとき、手を挙げればやってきて再試験を受けさせてくれる親切な監督官なんてどこにもいない。この試験が大人の世界への実質的な第一歩なら、そういう理不尽な世の中を実感してみるのも悪くない。世の中は不公平で理不尽なものだ。ただ、その不公平や理不尽がだれにでも等しく起こり得るという意味で公平なだけなのだ。

大人の中にも何かといえばすぐ「市民」だの「消費者」だの「顧客」だのといって国や大企業から「支援」とか「補償」とかをむしり取ろうと考えている人がいるらしいけど、そんな大人の背中を見て育った受験生の中に、「この問題はどうも難しいからプレーヤーが壊れたことにして再試験に賭けてみるか」なんて考えを起こしたヤツがいなかったことを僕は願いたいな。



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