大衆迎合主義プロ野球は読売のオーナーが突然辞任したりしてますます混乱しているようだが、僕としてはひとつよく分からないことがある。 近鉄とオリックスの合併話に端を発した合併賛成・反対の議論、さらには1リーグ制移行の賛否を見ていると、阪神を初めとするセ・リーグの球団が1リーグ制の反対を唱えたり、選手会が合併反対の署名をしたりと、なんとなく合併・1リーグ移行を強行しようとする主流とそれに抵抗する草の根の対立というように見えるんだけど、本当に合併や1リーグ制移行はそんなにマズいことなのか。 もちろん僕は最近ではほとんどプロ野球に興味を失った門外漢なので、合併・1リーグ制移行の方が現在の体制より優れているという気もない。僕が言いたいのはただ、合併・1リーグ移行と、合併回避・2リーグ維持のどちらが合理的なのかを判断するための材料の提供もなく、また冷静な議論もないまま賛成や反対の主張だけが激突しているのがよく分からないということなのだ。 例えば、阪神が1リーグ制移行でまとまりつつあったオーナー会議で2リーグ維持をぶち上げ、他のセ・リーグのオーナー(除く読売)の支持を得たとき、よくやったというような雰囲気があったが、それって要は読売戦が減れば減収になるセ・リーグの球団のエゴに過ぎなかった訳で、決してそれが全体としてプロ野球を発展させるための長期的なビジョンに基づいたものなんかでは全然なかったんじゃないかな。 例えば選手会が合併反対を訴えるのもそうなると職場が減るからだろう。そうしたセ・リーグの球団や選手会の利害が、好きなチームがなくなるのは忍びないというファンの気持ちと一致して共闘するのは構わないし、それはそれで立派な根拠のひとつだろうが、しかしそうやって2リーグ制を「延命」することがプロ野球全体の今後を見据えたときにベストの解決だという保証はどこにもない。 それでも僕たちがそうした動きに何となく共感し、肩入れしてしまうのだとすれば、それは合併反対・2リーグ制維持という主張に合理性があるからじゃなく、合併による球団数削減・1リーグ制への移行という「既定路線」があまりに閉鎖的で密室的なオーナーのおじさんたちの一存で決まってしまい、ロクな説明も行われないという胡散臭さ、ファンをバカにしたやり方が我慢ならないからなのではないか。 なされるべきことはおそらく、プロ野球界の意思決定の過程をもっとオープンにするということなんじゃないのかな。なぜならそうした密室主義こそが熱心なファンを置き去りにしてプロ野球を衰退させ、読売戦しか売り物がないようなコンテンツにしてしまったからだ。署名運動に参加した選手会に「大衆迎合的な真似はやめた方がいい」なんて言い放つオーナーがいる限り(もういないけど)、プロ野球はまさにその支持層である大衆からどんどん遊離して行ってしまうだろう。問題は1リーグか2リーグか、なんてことじゃなく、それをだれがどうやって決めるかということに他ならないと僕には思える。 2004 Silverboy & Co. e-Mail address : silverboy@silverboy.com |