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1. 延長戦を廃止しよう

今日テレビでJリーグの札幌×磐田の試合を見ていた。セカンドステージ開幕以来4敗1分でシーズン通算でも最下位独走の札幌と、完全優勝を目指す磐田では初めからレベルの違う戦いな訳だが、札幌は地元の意地もあってか実によく戦い、しのぎにしのいで90分を0-0で守りきったのだった。
勝てなくても磐田相手に引き分けは上出来だ、この勝ち点1は値打ちがある、とほめてやりたいところだがそうは行かなかった。Jリーグにはレギュラーシーズンの試合に延長戦があるのだ。結局試合は中山のVゴールで磐田が勝ってしまった訳だが、ここまでして「勝って当たり前」の磐田を無理矢理勝たせることに、競技的にも興行的にもいったい何の意味があるのだろうか。
延長戦であくまで勝負をつけに行けば、選手層が厚く実力のある上位チームが勝つ確率はいっぱんに高くなる。逆にいえば下位チームが強豪を相手に勝てないまでも守りきって勝ち点1を拾うためには120分をしのがなければならなくなる訳だ。その結果、意外性のある番狂わせ的な試合結果は減り、上位チームと下位チームの差は決定的に開いてしまう。選手も無駄に疲弊する。スタジアムにいれば帰りは遅くなるし、家でテレビを見ていれば9時からの土曜ワイドを楽しみにしていた嫁さんと呉エイジばりの闘争が始まる。
来季からは延長戦廃止の方向で検討しているらしいが是非そうして欲しい。リーグ戦に延長は要らない。

2. 2ステージ制をやめよう

地元で戦うのと敵地で戦うのは条件が違う。だからリーグ戦では同じ相手とホーム&アウェイで2回戦うことになっている。18チームのリーグ戦では34試合を戦ってみて初めて各チームの条件の違いがならされ、フェアに戦績を比較することができるのだ。
確かにファーストステージで各チームはすべてのチームを相手に総当たりで試合をする。だがあるチームとはホームで戦いまたあるチームとはアウェイで戦うというのでは、チームによって条件が同じではなくなってしまう。
例えばFC東京はファーストステージを磐田とホームで、札幌とアウェイで戦うとしよう。逆にヴェルディ東京は磐田とアウェイで、札幌とホームで戦うとしよう。FC東京について見れば、ホームとはいえ磐田は強くてせいぜい引き分けが精一杯だ(延長で負けるかもしれない)。札幌は最下位のチームだがさすがに地元では意地もある。こちらも引き分けだとする。勝ち点は2分で合わせて2だ。
一方ヴェルディはホームの札幌戦には手堅く勝つが、アウェイの磐田には歯も立たないとすれば1勝1敗で勝ち点は3だ。同じ総当たりでも、どのチームとホームで当たるかによって結果が同じでないことはだれにでも分かることだ。いっぱんに、弱いチームとのホーム戦をひとつのステージに集めてもらった方がステージ優勝の可能性は高まる。そんな日程の機微に戦績が左右されるシステムは欠陥だ。2ステージ制はやめるべきだ。

3. シーズンは夏に開幕しよう

今やヨーロッパで活躍するのは中田だけではない。小野も稲本も中村も、まあ鈴木も、ついでに川口もみんなヨーロッパでがんばっている。ヨーロッパのリーグ戦は夏開幕だから、ヨーロッパのクラブにいい条件で移籍しようとすればJリーグのシーズン途中でクラブを離れざるを得なくなる。これは選手にとっても選手を手放すクラブにとっても難しいことだ。ヨーロッパが世界のサッカー選手の最も大きな流通市場であることは動かしようのない事実なんだから、Jリーグも夏に開幕するべきではないか。その方がヨーロッパで働いている選手を呼んでくるにも都合がいいはずだ。

4. レフェリーの判定をきちんと検証しよう

●テレビ中継は、オフサイドのときはサイドラインに沿ったカメラの映像をリプレイして本当にオフサイドだったかそうでなかったかを検証して下さい。画面上にオフサイド・ラインを引いてもらえれば言うことはありません。
●ファウルやダイヴ(シミュレーション)もしつこいくらい角度を変えてリプレイし、レフェリーの判断を検証して下さい。
●オフサイドっぽかったが試合が止まらなかったプレイ、レフェリーがファウルを取らなかったが実は際どかったプレイも同様です。
●納得できない判定をしたレフェリーからは試合後に問題のプレイについてコメントを取って下さい。レフェリーはきちんと「○○君は確かにオフサイドの位置にいたがプレイに関与しなかったのでオフサイドは取らなかった」、「××君のタックルは先にボールをヒットしているのでファウルにしなかった」等、納得できる説明をして下さい。
●審判の判定がゲームの中で絶対かつ最終なのは当たり前ですが、そのためには彼らの判定が信頼に足るものでなければなりません。判定の精度を上げてもらうためにはそれが常に検証され、自由な批評の対象となることが必要です。それは判定の絶対性を侵すものではなく、むしろその信頼性を裏打ちし保障するものなのです。自分の判定が常に注目されている、場合によっては後から説明を求められるという緊張感の中でこそレベルの高い判定がなされるのだと僕は思います。



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