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ELECTRIC GARDEN

1985.5発売
小学館
●リアルな現実 本気の現実 Part I,II
●52nd Ave.
●夜を散らかして
●Sleep
●再び路上で
●N.Y.C. 1983〜1984
●DOVANNA

1985年5月、1冊の奇妙な本が発売された。いや、本というか何というか、それは堅い表紙の中に2冊の本と1本のカセットテープがセットされたオブジェクトと形容した方が適当かもしれない。それがこのカセットブック「ELECTRIC GARDEN」だったのだ。
カセットテープにはエレクトリック・ビートをバックにした次作の詩の朗読が7編収録されている。このうち「リアルな現実 本気の現実」はこのカセットブックのプロモーションのためシングル・カットされた(その後「Moto Singles 1980-1989」にも収録)が、シングル・バージョンはカセットブック収録のオリジナルを編集したもの。またシングルのカップリングは同じく本作収録の「Dovanna」。
本作で試みられたポエトリー・リーディングという表現の形態は、その後も「ELECTRIC GARDEN II」、アルバム「ナポレオン・フィッシュと泳ぐ日」「フルーツ」、オムニバス・アルバムに提供された「僕は愚かな人類の子供だった」等へと受け継がれ、佐野元春の活動の中でも少なくない比重を占めて行くことになる。個々の作品のできにはばらつきがあるものの、一部のタイトルは公式にリリースされた作品に劣らず印象的で時に感動的ですらある。
2冊の本は詩集と写真集で、詩集には第1期の「THIS」に収録されたものを含む渡米時の作品が掲載されている。また、写真・アートにも興味深いものが多い。総じて本作は佐野元春の1年間のNY生活を総括する役割を果たしており、アルバム「VISITORS」を補完する重要な作品であるが、現在絶版となり容易には入手できないことが大変惜しまれる。形態としても時代的な制約の中で今日のCD-ROMを予見するかのようなメディア・ミックスを実現しており、何らかの形で復刻が待たれる。
尚、カセットブック収録の7編はその後ポエトリー・リーディング作品を集めたCD書籍「Spoken Words」にリミックスで収録された。また、カセットブック収録作品のいくつかはスペシャル・ライブ「VISITORS TOUR SPECIAL」で効果的に使われた他、ライブ・ビデオ「VISITORS TOUR '84-'85」にも収録されている。


ELECTRIC GARDEN #2

1986.5.31発売
(00・6H-181-2)
●Perfect Production
●One September Morning
●Perfect Production('Anti-Mass' Mix)
●Until

前作と同じくポエトリー・リーディング4編を収録したカセットと、歌詞カードを兼ねた薄いブックレット、佐野自身の撮影によるポストカードが数枚封入されたカセットボックス。作品として、オブジェクトとしての面白さは前作に比べるべくもないが、前作で試みられたポエトリー・リーディングという手法がその後も受け継がれて行くべきことを宣言した。
尚、本作収録作品のうち、「Perfect Production('Anti-Mass' Mix)」を除く3編はその後ポエトリー・リーディング作品を集めたCD書籍「Spoken Words」にそのまま収録された。
 


THIS
Vol.1 No.2 Spring 1995特別付録


1995.3.10発売
扶桑社
●廃墟の街
●ポップ・チルドレン−最新マシンを手にした陽気な子供たち
●自由は積み重ねられていく

第三期「THIS」第2号の特別付録としてリリースされた。94年12月に行われたイベント「Beat-titude」のライブ録音で、デビッド・アムラム、越智兄弟とのポエトリー・リーディングを3編収録している。「廃墟の街」と「ポップ・チルドレン」はアルバム「sweet 16」にオリジナルバージョンが収録されている。「自由は積み重ねられていく」は第二期「THIS」第3号で「自由は積み重ねられてゆく」として詩のみ掲載の作品。
尚、本作収録作品はその後ポエトリー・リーディング作品を集めたCD書籍「Spoken Words」にそのまま収録された。


ロック画報20
スペシャル・サンプラーCD


2005.6.17発売
ブルース・インターアクションズ
●Street Meeting
●冗談の探求

雑誌「ロック画報」付録のサンプラーCD。2000年7月27日にウェブ上で配信されたスポークン・ワーズのイベント「Summer of 2000」からの音源である。オリジナルは両曲とも10分前後の長尺だが、ここでは3分程度でフェイドアウトの編集となっている。ライブ・アルバム「In Motion 2001」や「in motion 2003」収録の楽曲と同じ系譜のポエトリー・リーディング作品だが、いずれもここでしか聴くことができない。



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