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プロデューサーにサロン・ミュージックの吉田仁を迎えて製作した6枚目のアルバム。彼らにとっては確実に一つの転機となった作品だろう。ネオGSとかモッズとか、ザ・ジャムとかザ・フーとか、キンクスとかスモール・フェイセズとか、とにかく何らかの前置きとか文脈とかにおいて語られることが当たり前になっていたザ・コレクターズが、そんなストーリーに依存することなく、バンドそれ自体の力、曲そのものの説得力だけを武器に、ひたすらその表現の密度を上げることで中央突破を図ろうとしたアルバムである。
その目的は相当のところまで達せられたと言えよう。特に「愛ある世界」、「Monday」そしてスマッシュ・ヒットとなった「世界を止めて」などはグルーヴィなリズムと加藤ひさし渾身のリリック、メロディで、まさに曲それ自体がどんな背景情報や前提にも寄りかかることなく聴き手をドライブして行く名曲であり、アレンジ、プロデュースも一体となって、ザ・コレクターズの「次のフェイズ」を見せてくれる。リズム隊の腰の強さも特筆するべきであり、メンバー・チェンジして加藤がやりたかったのはこれだと実感できる。
しかし、このアルバムのいちばんの問題点は、これら3曲とそれ以外の曲とのばらつきがあまりに大きいことだ。古市コータローが初めてボーカルを取った「Dog Race」を含め、これら以外の曲の強度は残念ながらこの3曲からは大きく見劣りするし、それがアルバム全体をとても間延びしたものにしている。「世界を止めて」レベルの曲を10曲揃えるのは実際には難しいのかもしれないし、仮にできてもすごく暑苦しいアルバムになったかもしれないが、やはり残念である。まあ、この3曲だけでも3,000円の価値はあるのだが。
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