Date : 2001.8.5 22:16:38 
Subject : 無料レクチャー 
From : mine-D 
To : Silverboy
こんにちは。元気でやってますか? 
なんかタダでレクチャーしてもらってるみたいで、悪いね。でもすごく面白いです。 
> そうなると、そこの従業員が失業するのは当然として、一般の人がそこに預けて 
> いたカネも一部は返ってこなくなるかもしれない。それはマズいというなら預金 
> は税金から払い戻すしかない。公的資金を投入するというのは、何も銀行を助け 
> たいからやってる訳じゃなくて、そんなふうに銀行に預けた預金が返ってこなく 
> なるというような事態が発生すると、金融システムに対する信頼自体が揺らいで、 
> 経済がマヒしかねないから、つぶれた銀行に預金した哀れな人を、みんなの税金 
> で助けてあげましょうということなんだ。 
なるほど。全体的なバランスを考えなきゃいけないもんね。それはある程度しょうがないとは言えるね。 
> つまり、不良債権は銀行に体力があって銀行がそれを負担している限りは銀行の 
> 問題だけど、銀行が「貸したのに返ってこないおカネ」の負担に耐えられなくなっ 
> て倒産してしまえば、そのツケはどのみち結局みんなで負うしかない。一般企業 
> が赤字に耐えられずバタバタ倒産して銀行にそのツケを押しつけていいのなら、 
> 銀行だって倒産していけない道理はない。だって、自分が貸したカネを返しても 
> らえないのに、借りたカネ(預金)だけはきちんと返す、なんてことはそんなに 
> いつまでもやってられないんだから。 
うーむ。しかし、この辺よく分からないんだけど、不意の事態で貸した金を返してもらえなくなった場合に備えて、「担保」という制度があるワケだよね?まあ、土地の値段が下がっちゃったって事もあるとは思うんだけど…。でも、おれが住宅ローンを組んだときも、信用というか、要するに「こいつはこの先返す見込みがありそうか」ってのを、かなり徹底的に調べられたよね?ほんの何千万程度の融資でさえそうなら、億単位の融資なんて、もっと慎重になって当然という気がするんだけど、今日本全国でこれだけの不良債権を抱えてるっていうことは、そういう見通しが甘かった、あるいはかなり強引な融資を行ったってことはないんだろうか?それに対する責任は誰もとらなくていいの?って気もするんだよね…。 
> だから、言葉尻をとらえるようだけど、国民が銀行の不良債権処理に「協力」す 
> るんじゃなくて、不良債権はもともと国民全体の問題で、今は銀行という防波堤 
> がそれを一身にかぶって処理しようとしているけど、いずれそれがもたなくなっ 
> たら結局は皆さんの負担になるんですよ、ということ。 
どうなんだろうなあ。でも、ぶっちゃけていえば、これは債権者と債務者の間の問題でしょ?って気もするんだよね。基本的に。もちろん、金融や経済システム自体に対する信用確保ってのは大事だとは思うんだけど…。この辺複雑だなあ。基本的には人ごとなんだけど、やっぱり日本という国全部の問題でもある、と…。 
> 第二次世界大戦が終わったとき、昨日まで天皇陛下バンザイ、鬼畜米英だった一 
> 般庶民が急に民主主義者に変わって私は戦時中からこれはおかしいと思っていた 
> んだと言い出すのにも似た無責任さ、他人事感覚を僕は感じてしまうし、僕はそ 
> ういう「庶民感覚」こそ怖いと思う。そういう人はきっと本当に自分は戦時中か 
> ら戦争に反対してたように思っているんだろう、悪気もなく、無邪気に。僕はそ 
> れよりはそういう世の中の浮薄さが耐えられずに筋を通すために腹を切った軍人 
> の方が数倍まともだと思う。いや、僕は腹を切る気はないけどさ。 
ふむ。第二次大戦に対する日本国民のいいかげんな態度に対しては同感だけど、バブルの場合は、少し違うようにも感じるな。 
それは要するに、「国民全体がそこから何を得たか」って事じゃないかと思うんだけど…。第二次大戦の時は、その戦争を遂行することによって、例えば領土であったりとか、具体的に国に還元されるものがあったワケでしょ。結果的には負けちゃったけど。あるいは精神的なもの…戦局に勝利する事による高揚感とか、国民が一丸となる一体感とか…そういうものを享受し得たからこそ、国民全体が「積極的に」戦争に協力する、という構造が成り立っていたと思うんだよね。 
ところが、バブルの場合は…おれはバブルの後半にはすでに社会に出ていたワケだけど、正直にいってそこでなにが起こっているのか、全然分からなかった。「空前の好景気」の中で、「それでも、自分の給料には全然関係ないなあ」とぼんやり考えていた程度。もちろんその間にも、資金があって、金融の現場にいて何が起こってるか理解した人間は、たくさんお金儲けをしたり、逆に破産したりしたんだろうけど、それらはあくまで自由競争社会における利潤追求の域を出てなかったろうし、けしてなんらかの「国益」に結びつくようなものではなかったと思うんだよね。競争社会なんだから、誰が勝者になろうと、敗者になろうと勝手なんだけど、それなら最後まで競争社会の論理で片を付けろよって言いたくなる。あまりにも負債の規模が大きくなりすぎました。金が戻ってきません。どうしましょ。そこで「それなら…」といきなり「公的概念」を持ち出してくるのが気にくわないんだよね。 
> 結論的にいえば、バブルの責任者をスケープゴート的に断罪することに何か積極 
> 的な意味があるとは僕には思えないってことかな。 
だから、おれはもうバブルに対して金を払う事はしょうがないと諦めてるんだけど、ただ金出すだけじゃ腹立つから、誰か血祭りに上げろよって言いたくなるワケ(笑)。国全体の事なんかこれっぽっちも考えないでてめえの利益を追求しまくったにも関わらず、うまく生き延びてるヤツがいっぱいいるワケでしょ。誰かは分からないんだけどさ。とりあえず、そいつらを絞首台に乗せるのが先だ、と。 
> そういう意味で小泉首相の言っていることは間違いではない。ただ、繰り返しに 
> なるけど、本当にみんなそこまで理解して、覚悟して支持しているのかというこ 
> とが僕はとても不安で仕方ない訳ですよ。 
なるほどね…。そういう「改革への動機づけ」っていうのは、完全に内部的に出てきたもんなんだろうか?あるいは外圧とか、経済方面からの要求とかも、かなりきついんだろうか?アメリカは、以前何度か「不良債権処理」を迫っていたような気もするんだけど…。 
しかし、そもそもバブルってなんだったんだろう?って感じがしてきたなあ。なぜバブルが起きたのか、バブルとは何だったのかってところも、まだ時間がある時にでもレクチャーしてください。 
> うん、いい考えかもしれない。でも僕の独演会になっちゃってるんじゃないかな。 
> うまく成形できればいいんだけど。 
うーん、なんかうまくまとめる自信がない(笑)ので、Silverboy Clubの方でコラムにして発表するのがいいんじゃないでしょうか?いや、ありがとう。ためになりました。 
それでは。 
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