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 あるまじろう's Web Page & Silverboy Club Special

 《往復書簡》 誰も気にしちゃいない


「コミットメント」という言葉は日本語に訳するのが難しい。あえて訳するなら「約束すること」「関わり合いになること」。何かの情況に対して、局外者として傍観を決めこむのではなく、自ら当事者として積極的に関与し発言すること、場合によってはそのことから何らかの責任をも引き受けること、それがコミットメントという言葉を使うとき、僕の頭に浮かんでいるイメージである。

高度に発達した情報資本主義社会の中で、僕たちが何かに「コミット」することは難しい。僕たちの環境はどんどん定型化され、加工され、住みやすく、暮らしやすくなって行く反面、何かと直接「関わっている」という実感は薄れつつある。そして一方では最後に残された「友達」とか「家族」とか、あるいは「自分」というごく近しい対象に過剰に依存したりする。

だが、それは例えば農村型の共同社会に回帰すれば解決する問題なのかといえばまったくそうではない。僕たちは過去に経験のない都市化、情報化の中に生きているのだし、そこにおいて何かを後戻りさせることが可能であろうはずもないからだ。それは変化や時間の流れというものに対する眼差しを欠いた傲慢な考えに過ぎない。僕たちには何かを懐かしんでいる暇はないのだ。

僕はこの時代にあって有効な「コミットメント」のあり方を探したい。都市化、情報化に対応して、僕たちは、何に、どのようにコミットするべきなのか。それは僕たちの内なる「自画像」の問題であると同時に、この社会のどこに自分の居場所を見出し確保するかという問題でもある。そしてまたそれは「他者」というものをどう考えるかという「距離感」の問題でもある。

このサイトは、「あるまじろう's web page」を主宰するあるまじろうさんと、「Silverboy Club」のオーナーである僕が、書簡をやりとりする中でそういったテーマについて少しずつ考えて行くという共同企画だ。もちろん始めてみたら議論はまったく違うところに行き着くかもしれないが、僕たち自身もそういう自由な話題の流れを楽しみながら、その行く末を見届けたいと思う。

2000.3.5
Silverboy




第一信
生身の/ありのままの自分
あるまじろう to Silverboy
2000.3.5

第二信
「生身」性の実感とその喪失
Silverboy to あるまじろう
2000.3.15


第三信
網の目
あるまじろう to Silverboy
2000.6.1


第四信
コンフリクト
Silverboy to あるまじろう
2000.6.29



Silverboy 


  WELCOME TO THE SILVERBOY CLUB主宰。
1965年大阪府生まれ。現在某大手都銀に勤務、ドイツ在住。サイトは佐野元春を初めとする洋邦のロック、時事コラムからヨーロッパ旅行まで雑多にカバー。メールはsilverboy@t-online.deまで。

あるまじろう 
 

  あるまじろう's Web Page主宰
1973年長野県生まれ・大阪府育ち。首都圏の某大学院博士課程在学中。専門は発達心理学だが、興味は四方八方に拡散。サイトもスタートして半年、まだまだ拡大の予定。メールはarumajirou@mail.goo.ne.jpまで。



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