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■2006年12月16日(土)  【ブンデスリーガ第17節】ボッフム×グラードバッハ

リーグ戦折り返しとなるウィンター・ブレイク前の最終戦、15位のグラードバッハは金曜日開催の試合となり、アウェイで16位のボッフムと対戦した。

深夜だったので今日になって記事を見ただけだが、結果から言ってしまえば0-2の完敗。グラードバッハは10月14日のヴォルフスブルク戦以来勝ち星がなく、この間の戦績は7敗3分。この日の負けでボッフムに抜かれて16位となり、降格圏でウィンター・ブレイクを迎えることになった。

グラードバッハは監督の選手起用を批判して「規律上の理由で」サスペンドされたコンパーを欠き、健康状態に問題のあるクルーゲもベンチスタート。デルラとソンクのツートップに、インスアがトップ下という布陣で試合に臨んだ。ノイヴィルが久しぶりにベンチ入りした。

試合は前半ロスタイムにレヴェルスのミスから失点を喫し前半を折り返し。85分には敵FKを途中交替で入ったカヘが頭に当てて自軍ゴールに入れてしまい痛恨の自殺点。結局このまま0-2で試合終了となった。

ユップ・ハインケス監督談話。
「今は何もかもがうまく行かない。悪い疫病にでもかかっているみたいだ。45分にあんな失点を許したのでは致命的だ。そこから這い上がることができなかった」

マインツにホームで引き分け、ボッフムにも負けて非常に具合の悪い状態だが、監督についての議論は出ていないようだ。僕も若手を中心にしたハインケスのチーム作りそのものは間違っている訳ではないと思う。ただ、ヤンセンやノイヴィルといった選手がケガで戦列を離れたことが響いた上、決定的なのはチームに所謂「勝者のメンタリティ」がないことだと思う。

勝ちきるしつこさ、オレたちが負ける訳がないという傲慢さにも似た自信。ここ数年、人の入れ替わりの激しい外国人の寄せ集めだったチーム編成の中で、再昇格当時にはマイヤー監督を中心に形成されていたプレースタイルというか自分たちのやり方への確信のようなものが失われてしまったのではないだろうか。それをもう一度構築するためのハインケス監督という選択は間違っていないと思うし、ウィンター・ブレイクの間にその辺の「ディシプリン」をきっちりと形にして欲しいと思う。

後半戦はやはりインスアがチームにフィットすることを期待したい。最近ようやくそれなりに動けるようになってきたように思える。ポテンシャルは間違いなくあるはずの選手なので、そろそろドイツでの生活にも慣れて欲しい。ここが固まれば自然とチームは機能するはずだと思う。

■2006年12月10日(日)  【ブンデスリーガ第16節】グラードバッハ×マインツ

前節ミュンヘンで貴重なアウェイでの勝ち点を奪取して帰ってきたのだが、今節は再び寂しい結果に終わった。この試合、例によってウェブ・ラジオのコンファレンス中継と「kicker」のティッカーを頼りに展開を追うことにしていたのだが、気がつくと23:30をまわっていて、あわててティッカーをチェックすると既に1-0。敵の自殺点で先制というあんまりパッとしない展開ではあるが、とにかく格好を気にしていられる状況ではない。

後半に入るといろいろ他のことをしたりして、再び試合経過に集中したのは残り15分くらい。どうもグラードバッハはリードを守りに入り、面白くない戦いをしているらしい。とはいえマインツも今ひとつで、このままパッとしない試合のまま勝てるかなと思っていた89分、後半「少なくともやる気と取り組みで上回った」マインツにゴールを決められ、1-1で試合を終えることになった。

グラードバッハは土壇場で勝ち点2を失う結果となったが、それ以上に、ホームで最下位のチーム相手に勝てなかったことのショックが大きい。次節でシーズンが半分終わるというのにこの情けない成績は何だ? マジで降格が心配になってきた。この試合で勝てないでいったいいつどこに勝てるというのか。バイエルンにアウェイで引き分けてちょっとは上向きかと思ったが、得点は敵のオウンゴールだし、まったくがっかりさせられた試合だった。

ユップ・ハインケス監督談話。
「前半は比較的よくやったと思う。だが、我々は2-0にする機会を逃してしまった。マインツは後半徐々に試合の主導権を握って行った。我々はもはや試合を支配することができなかった。非常に失望した」

グラードバッハは15位と前節よりひとつ順位を上げたものの、降格圏の16位とは勝ち点差なし。次節はアウェイだがボッフム戦であり勝利は必須。もう頼むからしっかり勝ってくれ。ほんとマジ降格ヤバいよ。

■2006年12月9日(土)  【天皇杯5回戦】清水×FC東京

テレビ中継はなく、岡山まで行くのもアレで、結局テレビでは札幌×新潟を見ながら携帯サイトの速報を追いかけていた。いきなり先制されたがすぐに追いつき、前半のうちに逆転したのでこれは行けるかと思っていたが、終了間際に追いつかれて延長に入り、延長後半に勝ち越された。サイト更新するのがすごく心臓に負担だったよ、まったく。

これでいよいよ混迷の2006年が終わった。もう何度も書いたことだが、本当によく意味の分からない1年だった。「東すか」も終わってしまった。観客動員も減って、ゴール裏の応援も何となくボルテージが落ちたように感じられた。スタジアムには通いつめたが、悲しい思いをする試合が多かった。

来季は原監督の下で、あのカエルジャンプがいっぱい見られることを期待したい。愚痴はいろいろあるけど、いずれにしても選手も、ずっと東京につきあってきたサポーターも、ご苦労さま。

で、今日は福岡×神戸の入替戦もテレビで見た。アウェイゴールのおかげで神戸が昇格を決めたが、ゴールを決めたのが近藤だったのが嬉しかったね。実にたくましくなったと思う。これで今年は京都、セレッソ、福岡が降格して、横浜FC、柏、神戸が昇格することになった。首都圏で見に行けるアウェイ戦が二つ増えたし、来季はガンバ戦と神戸戦は里帰りを兼ねて見に行きたいと思っている。

ところで、この試合、終了間際に神戸のゴール前で激しい混戦になったとき、ボールが一瞬ゴールラインを割った(つまりゴールに入った)ようにも見えたんだけどあれはどうだったんだろうか。その後リプレイもなかったので検証のしようもなかったんだけど、NHK的にはそういうきわどいシーンはリプレイしないんだろうか。

■2006年12月3日(日)  【

Jスポーツの録画中継を録画して、朝から見た。このところリーグ戦は6連敗中で降格圏も目の前。こういう状況でアウェイのバイエルン戦なのである意味かなり絶望的ではあったが、逆にこういうときって意外と勝ったりするのでは、と根拠なく楽観しながら見ていた。

試合は序盤こそグラードバッハが果敢に攻めこんだものの徐々にバイエルンが実力を発揮しボールを支配される。23分、FKから敵MFが頭で決めて0-1に。これでもうあかんと思ったが、どうした訳かバイエルンも今ひとつつながりが悪く、時折個人技でチャンスを作るものの圧倒的な強さは感じない。33分、カウンターからインスアの絶妙のパスを受けて抜け出したデルラが冷静に敵GKとの一対一からゴールを決め同点となった。

後半もバイエルンが押し気味ながらグラードバッハはしのいでカウンターという形を徹底し、何とか我慢する展開に。残り15分くらいからはかなり押しこまれ、右サイドに張り出したダイスラーから何度も美しいクロスが上がったが、必死の守備でバイエルンに得点を許さず、最後までゴールを守りきって1-1の引き分けとした。洗練された守備とも言い難かったが、高いモラルで最後まで戦い、アウェイでのバイエルン戦で勝ち点1を持って帰ってこられたことをまずは評価するべきだろう。

ユップ・ハインケス監督談話。
「我々にとってこの試合はこのような(連敗中の)状況の中で重要な試合だった。チームが前節残り30分で見せたものを、今日は続けてくれた。我々はあらゆるところで勇気を持って前へ出て行ったし、守備でもよいパフォーマンスを見せ、素晴らしいサッカーをした。バイエルンももちろんプレッシャーをかけてきたが、我々には運も味方した。この勝ち点1は妥当なものだと思う」

しかし、ボッフムが勝ったため、グラードバッハは降格圏である16位に沈むこととなった。考えてみれば今季ももうあと2節で前半が終わる訳で、このタイミングで降格圏はマズい。何とかここから盛り返して欲しい。幸い8位までは勝ち点差5であり、勝てば自然に順位も上がる。次節、ホームでのマインツ戦、その次のアウェイでのボッフム戦は、両方勝つつもりで行くしかない。

この試合、インスアがそこそこ機能していたように見えた。それもポゼッションの局面よりはカウンターで攻め上がったときのボールさばきとかに。高いカネ出して連れてきた選手なのでしっかり働いてもらわなければ。

■2006年12月3日(日)  【Jリーグ第34節】大分×FC東京

さて、今季最終戦だが、残念なことに所用で外出することとなり、中継を見られなかった。うちではUHFアンテナをテレビに直接接続しているので、MXTVはリアルタイムでは見られるけど録画ができないのだ。そういう訳で昨日の試合は結果を知っているだけ。とはいえ外出先で携帯サイトを確認して1-0は嬉しかった。何にしてもシーズン最終戦に勝ち、少しでも順位を上げて終われたことはよかったと思う。試合の様子はJスポーツの録画中継で後日ゆっくり確認することにしよう。

さて、今季はガーロ新監督のもと、これまでよりも一段の飛躍を期したシーズンだった。ポゼッション・サッカーというのがFC東京に合うのかなとか、アモローゾって何よとか、いろんな思いはあったものの、先へ行こうというクラブの意志は評価するべきだと思ったし、だから今季はガーロに預けて産みの苦しみに耐えるシーズンだと考えたのだった。

しかし、クラブもファンもその痛みに耐えきれず、シーズンの途中でガーロを放り出してしまった。そしてそれを引き継いだ倉又監督も、出足こそよかったものの(監督交替の直後は往々にしてモチベーションが上がったりするものである)、2連勝のあとは6連敗と、一時は降格すら笑い事ではない状況だった。何とかそこからリカバーし、優勝争いをするガンバ、川崎に劇的な逆転勝ち、最後のホームゲームである浦和戦に引き分けて眼前での優勝を阻止と面目は施したが、13位という順位はシーズン当初思い描いたものとあまりにかけ離れていた。混迷のシーズンだったと言えるだろう。

観客動員も昨年に比べれば1試合あたり3千人以上減ってしまった。このオフの強化、編成はかなり戦略的にやる必要がある。即戦力を補強するべきポジション、若手を育てて層を厚くするポジション、ケガ人の復帰などで形の整うポジションをしっかり見極め、限られた資源をどこに投下するか、きちんとした分析が必要だと思う。

その中でジャーンが構想外になったのは残念だ。確かに今季のジャーンは故障で試合に出られないことも多く、また試合に出たときのパフォーマンスも、最もよかったときに比べると不安定な部分が大きかったように思う。したがって今回の退団は「理解」はできるが、それでもジャーンがいなくなってしまうということの心情的なショックは大きい。

僕にとってジャーンは僕がFC東京を応援し始めたときからの不動のCBであり、助っ人外人ではあってもチームのために献身的に働く真面目なプレーぶりは他の日本人選手たち以上に見る者の心に訴えかけるものがあった。ジャーンが抜ける穴は現有のメンバーでは埋めきれない。既に後任として外国人DFの名前が取り沙汰されているが、いずれにせよ僕にとってFC東京の顔というべき選手が一人去ることになった寂しさはどうやっても埋め合わせることはできないだろう。

ところで、リーグ戦そのものは浦和の初優勝に終わった。まあ、もともとガンバが3点差以上で浦和に勝つというのは、浦和の守備の堅さを考えればかなり無理な要求だった訳で、この結果自体は順当なものだろう。僕としてはリーグの覇権が磐田や鹿島といった旧勢力から浦和や千葉、あるいはリーグ発足時のメンバーでない後発のクラブ(もちろんFC東京を含む)に移りつつある象徴的なできごとのように思える。川崎や大分の躍進、甲府の健闘も含め、Jリーグにおける新旧勢力のミックス・アップはこれからも進んで行くと思う。

入れ換えの方では、前節に降格の決まっていた京都に加え、セレッソが降格することとなった。福岡は入替戦を戦う。一方、二部では横浜FCと柏が昇格し、入替戦出場は神戸。首都圏に住む者としては見に行けるアウェイ戦が確実に二つ増えた。

今季はあと天皇杯を残すのみとなった。FC東京は来週清水と戦うが、会場は岡山。これに勝っても次の準々決勝は熊本県、準決勝は国立かエコパだが、相手に磐田なんかが勝ち上がってきたらエコパになってしまいそうな気がする。そういう訳でこれはもう決勝まで勝ち残ってもらうしかないと思うが…。



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