logo Der Ball ist rund... 2006年7月


■2006年7月29日(土)  【Jリーグ第16節】FC東京×広島

あまりにひどい試合。言葉を失った。ルーカス一人いないだけであんなにぐだぐだになるとは。警告累積のルーカスと伊野波を欠き、トップ下に栗澤、左ウィングに川口を起用したが、栗澤がどうこうという問題ではなくて中盤全体がダメダメ。序盤から広島に押しこまれ、前半に失点、後半にも効果的に加点されて全然勝てる気がしなかった。

ルーズボールは拾い負け、パスは精度を欠いて簡単に奪われるし、中盤でボールを持っても視野が狭く展開ができない。広島が引いていたので攻めあぐねたというのもあるが、サイドを広く使いながらボールを回して崩して行くという本来の狙いはまったく機能していなかった。攻撃は単発で連携に欠け、シュートの思い切りも相変わらず悪い。

先週のホームゲームを遠隔地で戦ったためロードの疲労があったのは仕方ないが、あまりにアイデアのない惰性フットボールで、試合後にスタンドから「ガーロ辞めろ」コールがわき上がったのも無理ない。僕自身はここは我慢してガーロに預けるべきだと思うが、この試合ごとの振幅の大きさはいったい何なのか。チームとしてどうやって点を取り、どうやって勝つかというイメージが共有できていないので、そこで自分がどんな役割を果たすべきかという問題意識が個々の選手にない。

せっかく鹿島戦で高い授業料を払い、セレッソ戦ではアウェイで気持ちよく勝ったのに、ちょっと調子が悪いと、それを修正して何とか騙し騙しドライブするということができない。結局ガーロイズムはまだ全然根づいてなんかなかったということ。上位について行くための大事な試合だったのに。リーグは2週間のブレイクをはさむが、ここで何とかしないとヤバいよ、これは。

採点。
全員(5.5)。

悲しい話題。東すかが今季限りで休刊するんだそうだ。A3両面のフリーペーパーではあるが、毎回笑わせ、考えさせる記事、コラムを愛読してきた。何よりFC東京を好きだという率直で、しかしちょっと屈折した深い愛情が紙面からひしひしと感じられるところがよかった。泣けるコラムもあった。デザインもしっかりしていて、これを無料で配るのは結構大変なんだろうなとも思っていた。休刊は惜しい。

■2006年7月26日(水)  【Jリーグ第15節】セレッソ大阪×FC東京

今日は携帯サイトで経過を確認していたけど、見たかったなあ。5-1。ルーカス得点王だし。まあ、今のセレッソ相手に勝ったからといって手放しでは喜べない感もあるが、それにしても5-1は素晴らしい。ただ、NHK-BSの「Jリーグタイム」を録画し損ねたのは痛かった。Jスポーツの録画中継に期待しよう。

この週末は広島戦。花火だ。ソーラーキーホルダーもらうためのチラシももらったし、ビールは割引になるし。タンブラー忘れないように持って行かなきゃ。ああ、そうだ、浦和戦と千葉戦のチケットも取らなきゃな。

ところで鈴木規郎は右肩脱臼で全治2〜3カ月の重傷なんだそうだ。左サイドが気がかりだが、今日は伊野波ががんばってくれた様子。左サイド宮沢というのもありかと思うが。いや、何かというと宮沢、宮沢って申し訳ないけどさ。今日は今野、三浦のダブル・ボランチだったが、宮沢は途中から三浦に代わって出してもらった。

ブンデスリーガは11日開幕ということで各クラブともに準備も最終段階のようだ。我がグラードバッハは今季なんだかシマウマみたいな白と黒の変則縦ジマのユニになった。変則というのはシマがまっすぐでなくて、何か、こう、流れるような感じになっている訳だ。最初はいかがなものかと思ったが見慣れるとこれはこれでいいかも。番号付きが売り出されたら買おうかな。去年はノイヴィルを買ったので、今年はポランスキかクルーゲあたりで。

で、シーズン前の練習試合なんだが、どうも調子がよくないようだ。まあ、練習試合の結果に一喜一憂しても仕方ないんだけど、フェンローに負け、マグデブルクに負け…。尚、今のところ今季のレギュラーに最も近いと思われるフェンロー戦での先発は、

ケラー
デムス ゼ・アントニオ スヴェンソン ベゲルン
ポランスキ タイス クルーゲ デゲン
デルラ スヴェアコス

という布陣。これに休養中のノイヴィルとヤンセンが加わる感じかな。あと新たに獲得したインズアも。

この土曜日にはリーガカップも始まって、いよいよ開幕って感じだけど、日本でのテレビ放映はいったいどうなってるんだろう。僕としては引き続きJスポーツを希望なんだけど。

■2006年7月23日(日)  【Jリーグ第14節】FC東京×鹿島

という訳で、松本まで行って来た。この週末、味スタが使えないために、都外開催ということでホームゲームながら松本遠征。折からの大雨で諏訪湖が増水し、中央道は前日夜の時点で岡谷近辺が通行止めの状態だった。これはマズいということで関越回りも検討していたが、当日になってみれば空は晴れ渡り、中央道も開通、案ずるより産むが易しとはこのことか…。

とはいえどこで道路規制が行われているか分からず、また駐車場の確保にも不安があったので、早めにということで12時に家を出た。永福から首都高に乗りそのまま中央道に。なぜ中央道下り線に高井戸入口がないのだろう。ここで余分な300円を払わされるのは不愉快だ。渋滞もなく快調にドライブは進む。途中で一度休憩してサービスエリアで昼メシにカツカレーを食べ(高速道路のサービスエリアにはいるとなぜか無性にカツカレーが食べたくなる)、再び松本を目指す。問題の岡谷辺りも難なく通過し、結局現地に着いたのが15:00過ぎ頃。まったく問題のない快適なドライブだった。

既にアルウィンの周りにはたくさんの人が集まっている。付属の駐車場は既に満車らしいが、係員に誘導されるままに進んで行くと、近くの物流センターだか何だかの敷地に案内された。ここからアルウィンまでは歩いて10分弱、開門前でこれだったのでその後がどんな様子だったか分からないのだが、手を尽くして駐車場を確保しようとしたクラブの努力は買えると思う。とにかく他に交通手段のない不便なところなので。

バックスタンドのゲート前に到着したのは15:30頃。15分ほど並んでSOCIO優先入場でスタジアムに入った。こぢんまりとしているものの、球技専用だけあってピッチが近くて見やすく、また施設も新しくてきれい。スクリーンが小さくてやや見にくいが、非常にいい雰囲気のスタジアムだ。味スタも悪くないが、こういう球技専用のスタジアムを見せられると、こんなのがホーム・スタジアムだったらいいのになあと思ってしまう。

試合まで2時間、子供サッカーを見たりしてまったり過ごす。バックスタンドには西日がまぶしい。帽子を持ってくればよかった。水害で亡くなった人に1分間の黙祷を捧げた後、キックオフとなった。

FC東京は徳永、ジャーン、茂庭のスリーバックに、今野、伊野波のダブル・ボランチ、石川と鈴木を左右のウィングに置き、梶山がトップ下、ルーカス、馬場のツートップといった布陣。福岡戦は見ていないが守備が不安定で石川、馬場のツートップも今ひとつ機能しなかったことからの変更だとのこと。前日には珍しく非公開練習をしてフォーメーションをチェックしたらしい。

試合は序盤からFC東京が積極的に仕掛け、中盤でのアグレッシブなプレスから奪ったボールを左右に散らしサイドから攻める展開。しかし6分に鈴木が敵DFと衝突して負傷退場、ここで三浦の投入を余儀なくされてしまう。鈴木は右肩の脱臼ということだが、金沢がアキレス腱断裂で左サイドが手薄な状態だけに心配だ。

だが、この後退が逆に全体を落ち着かせることになった。今野、三浦をダブル・ボランチにし、伊野波を左に置いたが、伊野波は何度も縦に突破を見せ相手右サイドをかき回した。中央の三浦は時折中途半端なプレーでボールを渡すこともあったが、全体を引き締めるという意味では三浦の存在は大きかったと思う。

先制は33分、ドリブルで攻め上がったルーカスが右からミドルを突き刺して1-0。これは美しいシュートだった。その後もFC東京が押し気味に試合を進めたが、このまま前半終了かと思われたロスタイム、リスタートから敵MFにヘディングを許し1-1に。1点を先制して前半残り時間わずかとなったところでプレーが消極的になり、集中を欠いたもったいない失点だった。

後半は出足の重い立ち上がり。鹿島が優勢にボールを支配し、47分、FC東京がまだ十分試合に入っていないところでミドルを決められて1-2に。FCはこれでようやく目が覚め、55分には梶山に代えてリチェーリを投入、59分には再びルーカスのミドルが決まり2-2と追いついた。

その後は勝ち越しを狙った激しい戦いとなったが、勢いはFCにあったと思う。三浦に代えて川口を入れ、勝ちを狙いに行った訳だが、結果的にこの時間帯に得点できなかったことが敗因となってしまった。74分、敵のCKから失点。FCはその後も積極的に攻め、シュートも放つが得点できず、逆に89分には前がかりになった裏をカウンターで攻められ4点目を献上して試合を決められた。

この試合、全体を見れば決して歯が立たなかったというような「完敗」ではなく、むしろ押していたのはFCの方であり十分に勝つことのできた試合だったと思う。しかし両サイドを縦に突破する伊野波、石川の、そこからどうするかというオプションが乏しく、せっかくサイドに展開してもフィニッシュまで持ち込めない。伊野波はクロスが荒いし、石川も内側が厚いのに敢えて切り込んでボールを取られたりも。

この日はシュートも積極的に撃っていたが、シュートコースのあるファーストタッチでの思い切りが悪く、キープしてDFに詰められ、コースが厳しくなってから仕方なく苦しまぎれに無理目のシュートを撃つシーンも目立ったように思う。ファーストタッチでシュートを撃つのは技術的に難しいだろうけど、そこで枠に飛ばせるかどうかがやはりいわゆる「決定力」のひとつではないのか。

結局のところルーカスの個人技で2点取ったのはいいが、FCとして組織的に崩せているのか。この日もシュート数では19-12と鹿島を上回り、CKも7-2とチャンスは作っているのに特典に結びつけられない。全体のモラルも高く、流れはこちらにあっただけに、もったいない試合だった。

採点。
土肥(3.5)、徳永(4)、ジャーン(3.5)、茂庭(4)、今野(3.5)、伊野波(3.5)、石川(3.5)、鈴木(-、6.三浦(4))、梶山(3)、ルーカス(2)、馬場(3)

鈴木がしばらくかかりそうなら、ユーティリティの栗澤を左サイドで使うのはどうだろうか。ダブル・ボランチの今野の隣りは伊野波でなくパスを出せる宮沢を使って欲しい。この日はベンチにすら入れてもらえなかったようだが。



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